兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2015年7月25日(1789号) ピックアップニュース

歯科技工問題
協会・連絡会の要請受け井坂(維新)堀内(共産)両議員が国会質問

 協会などでつくる「保険でより良い歯科医療を」兵庫連絡会が中心となり、歯科技工問題の改善に向けて取り組んできた運動が着実に進んでいる。
 6月4日には歯科技工問題をテーマに、国会内集会が開催され(6月15日付報道)、全国から460人の参加で成功。
 同集会に出席した衆議院議員の井坂信彦氏(維新)と堀内照文氏(共産)が、7月1日の衆議院厚生労働委員会で、相次いで歯科技工問題について塩崎恭久厚生労働大臣に質問し、歯科技工士の労働環境が「厳しい」と認めさせた。
 また、近畿でも歯科医師と歯科技工士が連帯する交流会が開催されるなど、歯科技工問題を切り口に低医療費政策の転換を求める取り組みが大きく広がっている(兵庫保険医新聞1789号3面に談話、交流会報道)。


井坂議員
歯科技工士の厳しい労働実態示す
 井坂議員は、「歯科技工士の5年以内の離職率は8割」「1週間の平均労働時間は62.2時間にもかかわらず、平均収入のもっとも多い層が年収300万円だ」と歯科技工士の厳しい労働実態を示して、国の認識と改善策について質問。
 塩崎大臣は、歯科技工士の労働環境について「厳しい」と認める一方、「質の向上が報酬につながる」と答弁したのに対し、井坂氏は「歯科技工士の仕事の質が低いから給料が300万円台なのか。問題の立て方が違うのでは」と追及した。


堀内議員
歯科全体の診療報酬引き上げを
 堀内議員は、「現場では7・3告示(歯冠修復及び欠損補綴料のうち、製作技工の部分と製作管理の費用がおおむね7対3であると示した大臣告示)が守られれば、やっていけるとの声もある。告示の趣旨が生きるようにするのは政治の責任。そのためには歯科全体の診療報酬を引き上げるべき」「10年、20年たてば本当に技工士がいなくなる事態が危惧される。若い技工士を育成するとともに、働き続けられる環境を検討すべき」などと主張。
 塩崎大臣は技工に関わる費用を上げるには、技工物の「質の向上」が必要であるかのような逃げの答弁をしつつも、歯科技工士がかかわる行為についての評価を上げるような質の改善を支援し、歯科技工業の実態についての情報収集を行うと答弁した。
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