兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

兵庫保険医新聞

2015年12月05日(1800号) ピックアップニュース

燭心

 11月13日、フランスのパリで同時多発テロが発生し約130人が犠牲になった。12名の犠牲者を出した同所のテロから半年強しか経過していない。繁華街の真ん中で、無差別に自動小銃を乱射し爆弾を破裂させた。犠牲者は余暇を楽しんでいた人々がほとんどであった▼イスラム過激派のISが犯行声明を出した。彼らは憎しみだけで凶行に及び、実行犯はほぼ全員が自爆。自分の命と引き換えに凶行に及ぶ輩に、説得は効果がなさそうである。確信犯のテロリストを排除するには残念ながら警察隊の数千発の銃弾しかなかったようだ。彼らは難民を装うなどして巧みにシリアからフランスに潜入し、移民街を拠点に周到な犯行に及んだという。自分の能力のすべてをテロに打ち込むのはむなしい▼このようなテロリストが生まれたのは、米国のアフガニスタン・イラク侵攻が原因らしい。イラクのフセイン政権を倒した欧米連合に強烈な憎しみが生じ、本来ならアメリカに向けられるはずのテロの矛先が、米国より警備が手薄としてフランスに向けられたようだ▼日本はイスラム過激派にまだ敵と見なされていないので、テロの矛先は向いていないようだ。憲法9条により海外での武力行使を行わなかったことが、世界各国との友好的関係に寄与している。しかし安全保障関連法によって憲法を骨抜きにし、米国と共に世界で武力行使すれば、日本もテロの対象となる恐れがある。パリの惨劇を東京で起こしてはならない(海)
バックナンバー 兵庫保険医新聞PDF 購読ご希望の方