2016年3月05日(1807号) ピックアップニュース
燭心
自民党の国会議員や閣僚の失言が相次いでいる。多数党政権与党の驕 りか、慢心か、不勉強なのか、理解に苦しむ発言が多い▼石原伸晃経済再生担当相(元環境相)の「金目」発言、島尻安伊子沖縄北方担当相の「 歯舞 」を読めない無知、低次元の答弁、丸川珠代環境相の放射能除染基準に対する発言等々は単なる暴言、失言というより、ついうっかり本心本音が吐露されたのであろう▼自民党のこれらの議員には共通性がある。二世議員や裕福な家庭環境で育ち、一般庶民の生活の苦しさを味わったことのない、上から目線で国民を見下ろすという構造的問題である▼丸川珠代氏は、宮崎謙介氏の議員辞職騒動のドサクサの最中に、 狡賢 く隠れるように発言を撤回した。福島の被災者に対し本心から謝罪したとは思えない。環境相失格である。一国の大臣が発言撤回して済むものではない。「 綸 言汗の如し」(礼記)為政者の発言は汗が再び体内に戻らないように、取り消すことができない重いものである▼丸川氏の両親は、兵庫県の大学を卒業した医師である。患者のために医療を行うのが良い医師なら、被災者の立場に立って発言するのが本当の環境相ではないのか▼安倍内閣には国民の人気取りのため、全く資質のない軽佻浮薄な閣僚が多すぎる。厚かましくも、これらの閣僚は自ら辞任しないであろう。それなら、次の選挙で落選させれば良い。われわれ一人ひとりは微力であるが、決して無力ではない(鼻)