2016年6月05日(1815号) ピックアップニュース
燭心
日本は平安時代から源氏物語の光源氏に示されるように、トップは何も決めなくても良いという伝統が続いている。換言すればトップは責任を取らない方が良い。『昭和天皇実録』を読んでも、誰が対米開戦を決めたか判然としない。これは現在の官僚機構にもある。2年に1回人事異動でいなくなる人が無責任に決める、悪しき慣習が残る▼オバマ大統領が広島を訪問して核廃絶をめざす理由は日米和解だけではない。米国は近現代史において世界中至る所で悪逆非道を重ねた。今となってイスラム世界等からの核テロの恐怖に 苛 まれている▼75年前の真珠湾攻撃時、宣戦布告がワシントン駐米大使の怠慢で遅れたとも言われる。これは重大な意味を持つ。日本が卑怯な不意打ちをしたという結果になり、米国民に日本への大きな 敵愾心 を起こした。それが広島・長崎の人体実験的原爆投下容認につながっていった。これが真実なら時の駐米大使・野村吉三郎には重大な責任があるはずだが、何の 咎 めもなく戦後、栄耀栄華の限りを尽くし参院議員、日本ビクター社長になった▼卑近な実例では、KIFMECは 杜撰 な計画で短期間で倒産したが、誰も責任をとっていない。利権に絡む者だけが利益を得た。反対を押し切り県立こども病院をポートアイランドに移転させたが、近未来必ず起こる東南海巨大地震の津波で水没しても、誰も責任はとらず、想定外として逃げるだろう。政治家や官僚の無責任は今後も続くのか(鼻)