2016年8月25日（1822号） ピックアップニュース
燭心
今年の盆休みは、旅行の計画もなく、肺がん末期の高齢患者をもっていたこともあり自宅にいて、折よく始まったリオ五輪のテレビ放映を観る機会が多かった。何といっても女性アスリートの活躍に目を奪われたという感想を持った人は多いだろう▼女性の活躍という点では、グローバルにはイギリスのメイ新首相、ドイツのメルケル首相、ミャンマーのスー・チー氏、台湾の蔡総統、アメリカ合衆国の大統領に限りなく近いところに立つクリントン氏など。日本国内では女性首長の座す地方自治体はいくつか存在するが、最たるのは小池百合子・新東京都知事である▼EU崩壊の危機、新しい冷戦構造の兆し、イスラム世界との付き合い方、移民問題、地球環境問題等々、問題山積。その中で、女性首長がスキャンダルまみれ、汚い金の問題で失墜したという話はあまり聞かないのは救いである。リオ五輪の表舞台の華やかさの裏で、貧困に喘ぐ人たちへの経済効果は少ないことは、暗いニュースから伝わってくる▼小池知事にお願いしたい。選挙公約を100パーセント実現することは無理でも、女性が働きやすい社会を作ること、保育所問題（これは少子化対策につながる）、東京五輪を適正な予算規模で開催準備すること（利権と結びついたブラック企業をしめだすこと）などはぜひ実現していただきたい。東京都民のみならず日本中の人々が、清潔で透明で決断力のある政治で、社会の底上げを期待している（硝子）
