2016年10月15日(1827号) ピックアップニュース
燭心
10月(陰暦長月)は月見の季節、日本人は昔から星より満月を愛 でる。その証拠に、イスラム世界や中国や米国の国旗には多数の星が出てくるが、日本の旗や家紋に星は少ない▼遣唐使・阿倍仲麻呂は望郷の念から「天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも」という有名な和歌を詠んだ。阿倍仲麻呂は極めて優秀な人物で、日本人であるのに唐の超難関の科挙の試験に合格している。当時の玄宗皇帝にも重用され、唐の官吏になった。一流の文人李白・王維・趙嘩らと交流もあった。官吏としても頭脳明晰で、日本(奈良朝)への愛国心もあったが、惜しむらくは、帰郷の舟が難破し長安で客死した▼翻って、現代日本にも「安倍」なる有名人がいる。仲麻呂とは対称的に読書嫌い・勉強苦手なのか、所信表明演説では、官僚の書いたふりがな付きの文書の棒読み。国会討論では「語彙(vocabu-lary)」不足が甚だしく、「〜においては」という答弁が目立つ。英文でも、同一文脈には同じ形容詞、副詞等を連用しない。日本語も然り、一国の先進国の宰相としては軽佻浮薄すぎるのでは?▼すでにアベノミクスは失敗であると、国民は気づき始めた。国政の失敗を、外交で点数稼ぎするのは与党の常套手段である。折しも、米国大統領選の間隙を狙って、長州の伊藤博文になったつもりで、ロシアと北方領土等について山口県で密会するようだが、下手すると米国の虎の尾を踏むことになる(鼻)