2016年12月05日(1832号) ピックアップニュース
「保険でより良い歯科医療を」兵庫連絡会 市民講座
社会保障制度をよくして心も体も健康に
声を上げる大切さを訴えた香山リカ氏(上)の話に、200人超が聞き入った
講演後には協会役員らが歯の健康相談に応じた
香山氏は、自身の臨床経験から、介護保険を軽度者が利用できなくなったことで介護うつの患者が増えていると紹介。このうつの原因は介護保険制度の改悪であり、治療するには制度を改善しなければならないと、社会保障制度改善を求める運動の大切さを語った。
米国大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利したことにふれ、トランプ氏が医療保険制度改革(オバマケア)を見直せば、ただでさえ医療格差が大きい米国で、医療にかかれない低所得者がより増える可能性が高いと述べた。日本でも、政府が患者負担増を進めれば、米国のようになってしまう恐れがあるとし、自己責任ではない、共生の社会であるべきだと強調した。
また、ナチスドイツで精神科の医師が障害者を虐殺したように、一度倫理観が破壊されると歯止めがきかなくなるが、戦争は倫理観を破壊してしまうと語り、安保関連法が成立し、日本学術会議が軍事研究を容認しようとするなど、戦争ができる国に近づいている現在の日本の状況に懸念を示した。
そして、「平和を大切にする」など当たり前のことが言いにくい世の中になっているが、自分の頭で考え、自分が正しいと思うことを正しいと言える社会にするため、声を上げ、署名運動などにも積極的に協力していこうと訴えた。
同連絡会世話人の冨澤洪基先生(協会評議員)がミニ講演を行い、口腔ケアの重要性や歯と全身の健康との密接な関係などについて説明した。
終了後には、歯の健康相談を実施し、9件の相談があった。井坂信彦衆議院議員(民進)から、メッセージが寄せられた。