兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2016年12月15日(1833号) ピックアップニュース

ドクター署名にご協力ありがとうございました! 三つの改悪「先送り」に
新署名にご協力を

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〈要請を受け先送りが決まった項目〉

 協会が10月から取り組んだ「窓口負担増などの中止を求める要請署名」。902人の会員から協力を得た。同様の署名は全国で取り組まれ、計7千772筆が集まった。
 集まった署名は11月17日に役員が上京し、厚労省交渉の場で提出。当日のやり取りでは、厚労省は「厚労省社会保障審議会医療保険部会での議論を見守る」「現場の先生の意見に十分配慮する」としていた。
 その後開催された第101回社会保障審議会医療保険部会で、署名の要請項目のうち、患者に「かかりつけ医」以外の受診を制限する受診時定額負担の導入、漢方薬や目薬、胃薬などの保険外し、75歳以上の窓口負担の原則2割化の3項目が、当面の課題から外され、先送りになった。
高齢者泣かせの負担増ストップを!
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高齢者の負担増中止を求めるドクター署名に取り組む。ご協力を!

 しかし、一方で主に高齢者を対象とする患者・国民負担増案が具体化された。
 同部会では70歳以上の患者窓口負担限度額の引き上げ、65歳以上の療養病床入院患者の光熱水費自己負担増、後期高齢者医療制度の保険料軽減特例の廃止を行うとされた。また、同審議会介護保険部会でも「現役並み」所得者の介護保険サービス利用料の2割から3割への引き上げが具体化された。
 これらの制度改悪で、一般的な所得の70歳以上の患者が外来で支払う医療費窓口負担上限額は、月1万2千円から5万7600円と約5倍に引き上げられ、筋ジストロフィーで療養病床に入院する患者の負担は月1万1100円も引き上げられることになる。それまで被扶養者だった後期高齢者では、保険料が10倍以上になる例も想定される。
 今でも他の世代と比べ貧困率が高い高齢者にさらなる負担を強いれば、受診抑制に拍車がかかり、政府が掲げる「健康寿命の延伸」にも逆行してしまう。
 協会では引き続き、こうした医療・介護制度改悪をストップさせるため、保団連や全国の協会とともに「高齢者泣かせの負担増」中止を求めるドクター署名に取り組む。12月中にFAX送信する予定。
 集めた署名は来年の通常国会会期中の2月23日に、地元選出国会議員や厚生労働大臣に提出する予定。ぜひ、署名にご協力いただくとともに、2月23日国会で行う署名提出にも参加いただきたい。
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