2017年1月05日(1834号) ピックアップニュース
新聞部の会員訪問 音楽で人生に彩りを
サロンのピアノの前で。ここで開かれたコンサートから多くの音楽家が育っていっている
西宮市 大岡暉子先生 大岡照二先生
【おおおか てるじ】1933年生。58年大阪大学医学部卒業、63年同大学院医学研究科(病理学)修了、大阪大学第一内科、国立大阪病院内科、新千里病院、池田回生病院勤務を経て、89年肝臓病研究所を開設、91年大岡クリニック併設、現在に至る。主な著書『C型肝炎−インターフェロン療法』(医薬ジャーナル、90年)、『今日のC型肝炎』(中山書店、93年)、『C型肝炎の臨床病理ーその動的考察』(中山書店、01年)
【おおおか てるこ】1939年生。63年大阪大学医学部卒業、64年関西労災病院、71年国立刀根山病院、75年明和病院勤務を経て、82年大岡内科医院開業、現在に至る
患者教室をコンサートホールに
多田 お二人とは大学の合唱サークルが一緒だったご縁があり、普段からお世話になっています。このサロン、いつも「大岡サロン」と呼んでいますが、本当の名前はILDホールというんですね。大岡照二(以下、照二) ILDは、Institute for Liver Diseaseの略で、肝臓病研究所のことです。私はC型肝炎のインターフェロン療法について研究しており、本も何冊か書いています。20年以上前に、肝臓病の治療法について、患者さんへ知らせる場所を持ちたいと思い、このホールを作ったんです。
しかし、C型肝炎の治療法が進歩し、今はほとんど治るようになってきたこともあり、あまり教室を開かなくなってきました。
すると今度は、ここでサロンコンサートをさせてほしいという人が出てきまして、主として妻に担当してもらっています。
多田 これまでたくさんコンサートをなさっていますよね。私もよくご案内をいただきます。
大岡暉子(以下、暉子) 年に2〜3回ほど開催しています。サロンコンサート協会という、県内でサロンコンサートを企画している団体があり、音楽家がその協会を通じ、演奏したいと申し込んでこられます。音楽大学を卒業されてすぐの、まだ活動の場が少ない若手音楽家が来られることが多いですね。先日もコンサートを行いましたが、すばらしかったです。
多田 音楽の才能を持った方が、発表する場がなかなかないんですね。開催には、ご苦労も多いでしょう。
暉子 お客さまを集めるのが大変ですね。ここには、50人くらいの人が入りますので、患者さんや友人などにお声かけし、お呼びするのが私の仕事ですね。
照二 興業ではないので、演奏される方にも知り合いを連れてきてくださいとお願いしています。2千円〜3千円の入場料をいただき、ほとんどを出演者にお渡しします。その後の活動の糧になるようにと思いまして。
多田 大岡サロンは、若い方の登竜門ですよね。
暉子 次回は、1月22日に弦楽四重奏のコンサートを予定していますので、ぜひ足をお運びください。
明日へはばたく「あすなろ音楽会」
聞き手 多田 梢副理事長
照二 素人ですが、ずっと声楽をしていまして、先輩に声をかけられ、オペラやオペレッタの舞台で、合唱に参加していたんです。プロがアリア(独唱曲)を歌っている後ろにいると、「ああいう風に歌ってみたいな」と思うわけです。もう少し実力をつけたい、「明日は成ろう」と、同じ思いを持った人たちと、十数年前に「あすなろ音楽会」というのを始めました。
暉子 夫が声楽をしているのをきっかけに、私も練習させてもらい、出演しています。
照二 年2回続けていますが、10数人から始まり、今では出演者も随分増えました。医師やその奥さん、医療関係者もいますし、会社員で定年を迎えられた方もいます。
多田 何度も聴きに行っていますが、皆さんお上手ですよね。この間の子どもさんのピアノ演奏、すばらしかったです。
照二 見事でしたね。人前で歌ったり、演奏したりする経験というのは、一度でも百の練習に勝ります。大人でも、発表ごとに進化されますね。5年前には、摂津音楽祭というクラシック若手音楽家の登竜門として知られるコンサートで、グランプリをとられた方がいます。その方に続いて、翌年には別の方がグランプリをとりました。「あすなろ音楽会」から育っていかれているんですね。私は、スタートから取り残されている「あすなろ」ですが(笑)。
多田 いえいえ、すばらしいです。音楽一筋ですよね。
照二 音楽は私の人生の半分だと思いますね。
医療関係者で混声合唱団
多田 照二先生が代表を務められている県医師会同好会の混声合唱団には、私も参加させていただいています。こちらも、日本医師会のクリスマスチャリティーコンサートで東京に行くなど、活発に活動されていますね。暉子 いつもありがとうございます。他にも、同好会の交響楽団と一緒にベートーベンの第9の演奏をするなど、さまざまな活動を行ってきました。医師だけでなく、歯科医師、薬剤師、家族など、いろいろな医療職の方に15人ほど集まっていただき、ここで練習しています。
照二 次は、今年が県医師会70周年ですので、お祝いのコンサートを4月9日に県医師会館で予定しています(下記)。
プログラムも決まりました。第1部が合唱で、荒城の月や「ふるさとの四季」というメドレー、米国のホームソング等を歌います。第2部は、オペラの「カルメン」からの抜粋です。カルメンは、合唱オペラという別名があり、アリアを歌う中に合唱が入ってきます。闘牛士の歌やハバネラなど、聞いたことのある歌が多いと思いますよ。
多田 これが難しくて...昨年7月から練習を始め、遠い先だと思っていたら、あっという間ですね。でも皆さん、本当にお上手です。
照二 指揮やピアノ伴奏は、オペラで実際に活躍されてきた方たちにお願いしています。第2部で、歌うプログラムも決めていただきました。この先生が「私に似合う」と言ってくれるのが、なぜかいつも女性に振られて泣く男の歌なんですが(笑)。
ただいま、猛練習中ですので、4月9日には聞きにいらしてください。
暉子 ぜひ皆さんお誘い合わせの上、お越しください。
多田 最後に、協会活動についてご意見をいただければ。
暉子 いつも保険医新聞を読んでいます。いろんな方が書いてらっしゃるコラムなど、とてもいいと思っています。
照二 政策解説などもいいですね。研究会も、メーカー開催のものと一味違って面白いと思っています。また、不当な減点を検討し、復活する活動を継続していただきたいですね。
多田 ありがとうございました。また、合唱の練習に伺いますので、よろしくお願いします。
兵庫県医師会創立70周年祝賀演奏会
第11回兵庫県医師会混声合唱団演奏会
日 時 | 4月9日(日)14時開演 |
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会 場 | 兵庫県医師会館2階講堂 |
【プログラム】 |
第1部 日本歌曲 荒城の月・平城山・落葉松・混声合唱のための唱歌メドレー・「ふるさとの四季」 米国歌曲 黒人霊歌Deep River・フォスター作曲OLD Folks at Home・Old Kentucky Home・オールドブラックジョー等 第2部 オペラ ビゼー「カルメン(邦訳)」演奏会方式 |