2017年4月05日(1842号) ピックアップニュース
燭心
「死なばモリトモ爆弾」が炸裂した。国有地売却を巡る不透明な価格決定と政治家の関与から、今や個人の言動に焦点がずれている。登場人物のキャラが濃く、カメラの前で饒舌なため、マスコミもここぞとばかりに追っかける。「post-truth」の典型である▼学園は、当初の保身と小学校認可から、被害者強調と周辺巻き込みに作戦を変更したようだ。「抱き付き心中」と呼ぶメディアもある。身に覚えのある人は、振り払うのに躍起になる▼彼らは、保育園や小学校の目標を「日本の将来を担う人材の育成」と謳うが、素直にそうとは思えない▼さて、憧れの三大職業は指揮者、プロ野球監督、映画監督といわれる。「大人」の集団を動かす感覚に魅了される▼そこまでの人望がない人は、 無垢 な人間相手に自己実現を試みる。「先生」と呼ばせ「右向け右、前に倣え」「ハイ、皆で一緒に」と人を従わせ、「ありがとう、わかりました、ごめんなさい」がたまらなく心地よい。「ガキ大将」である。時に運動部の指導者や男女間にもみられる▼支配欲は劣等感の裏返しでもあり、特徴は「注目・礼賛・感謝・愛情」の他者への強要だ。「私が主役だ」「特別で価値ある存在だ」「私のおかげだ」「皆に愛されたい」。そして「愛されたければ、私を愛せよ」「自分を失えば、後悔するぞ」へと倒錯する。もちろん「自分から謝らない」▼究極は「ストーカー」「教祖様」「独裁者」だが、類する人は少なくない(空)