2017年4月25日(1844号) ピックアップニュース
燭心
籠池騒動で「 忖度 」という日常余り使われない言葉が新聞紙を賑わしている。広辞苑には「他人の心中を推し量ること。推察」とあるが間違っている。なぜなら上の者に媚びを売りへつらって、何らかの利得を求めるといういやしい下心が隠されているからである。分かりやすく言えば「 胡麻擂 り」▼安倍内閣が仲良し・お友達内閣と言われる核心をついている。政治家の使命は「政策」である。国民の暮らしと安全を守り、憲法を守り、誠実に対応することである。しかし保身とポストだけを考えている議員、上の者に迎合し、選挙やポストで得をしようとする輩が多すぎる。そのためnoblesse oblige(高い身分に伴う義務)を持たない無能な要領の良い胡麻擂り閣僚が出る。防衛相、法務相が国会答弁に「しどろもどろ」になったり、震災復興相が原発避難者に対して「自己責任」という暴言を吐いたりするのは、能力も品格もないが、上の者に対する胡麻擂りpointの大きさで大臣postを得たり、 門戸閨閥 で人事を行う。これは組織崩壊の 濫觴 (始まり)となる▼総理自身も米国大統領に 阿 っている。国連安保理の決議もないのに米国のシリア攻撃を即座に支持した。上から下まで「胡麻擂り内閣」ではないか!▼籠池騒動の幕を早く引きたがっているようだが、決してこのまま見逃してはならない。さらに追及すべきだ。なぜならこの事件の中に右傾化した政権の実態が垣間見える。蟻の一穴は巨堤も崩す。(鼻)