兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2017年7月15日(1851号) ピックアップニュース

燭心

 往古来今、戦には勝者・敗者が存在するが、今回ほど敗者がはっきりした戦も珍しかろう。7月2日投開票の東京都議選結果を、マスコミ各紙は「自民惨敗」と報じた。前回の4割にも満たない、史上最低の議席数。改憲に突っ走る暴走政治を何とか止めねばと、強くブレーキを踏んでくれた都民の方々に感謝したい▼一方、勝者は誰なのか? 小池氏なのかというと考え込んでしまう。何しろ旗印が鮮明でない。国政への怒りを背景に、何となく票が集った感が拭えないのだ。彼女がこれから何をするのかで真価が決まるだろう。本当の勝者は、安倍政権の5年間、まずたゆまず抗議の声を上げ続けてきた、心ある市民の方々だろうと思う▼都議選のここ数回のその後を見ると、大勝した勢力は、しばらく国政のトレンドを握る。そして決まって次の選挙で敗けている。民進党しかり、今回の自民党しかりである。おごれる者は久しからず。故事を引くまでもなく、庶民の暮らしに寄り添う姿勢がなければ、やがて見放されてしまう▼今後の政治の行方が混沌としてきたが、それにしても政権の無反省ぶりは呆れる。敗北を失言議員の「たるみ」のせいにしたいのがありありだ。安倍政権の強権ぶりへの批判が根底にあると分かっているのか。自民党のある幹部は「THIS IS 敗因」ともらしたそうだ。Tは豊田、Hは萩生田、Iは稲田、Sは下村と言いたいらしいが、A(安倍)が抜けてやいませんか。(星)
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