2017年7月25日(1852号) ピックアップニュース
主張
核兵器禁止条約 核兵器廃絶に向けた大きな第一歩
7月7日午前10時46分、ニューヨーク国連本部第1会議室のスクリーンに賛成122、反対1、棄権1の採決結果が示された。
人類が初めて、人類の生存を脅かす核兵器を禁止する法的規範を手にした瞬間だ。国連加盟193カ国の63%にあたる賛同が得られたことは、日本の被爆者をはじめ「核兵器のない世界」を求める世界各国と市民社会の長年の取り組みが結実した、文字通り歴史的な壮挙である。理念をうたった前文には、〝ヒバクシャ〟にもたらされた「容認しがたい苦痛と損害」を心にとどめると明記された。
禁止の内容として、核兵器の「開発、実験、生産、製造、取得、所有、貯蔵」「使用、使用の威嚇」があげられた。これは核抑止力−核兵器による威嚇に依存した安全保障論を否定したものとして、大きな意義を持つ。
また締結国の領土と管轄地域の「配置、導入、配備の許可」が明記されたことは、核保有国の行動を大きく制限するものとして重要である。
また条約は「核兵器の使用または実験によって影響を受けた諸個人」に対する支援を「差別なく十分に提供する」ことを、該当する締結国の責任と明記しているが、これは長年にわたり国に対し被爆者援護を求めてきた被爆者の切望にこたえる画期的な条項である。
しかし日本政府は、唯一の戦争被爆国の政府であるにもかかわらず、歴史的な核兵器禁止条約に背を向ける態度をとっている。このことはわれわれ国民にとっては悲しい現実であり、また内外の強い失望と批判を招いている。アメリカの核の傘にしがみつく政府の態度は到底容認できない。
核兵器禁止条約の採択は新たなスタートであり、目指すゴールは「核兵器のない世界」−核兵器の完全廃絶の実現であり、そのためには、三つの点が重要となる。
第1は、この条約にある通り、核兵器を違法化し、核兵器保有国に対して、政治的、道義的に拘束をかけることである。
第2は、この条約をつくりあげた、世界の多数の諸政府と市民社会により、圧倒的な核兵器廃絶の世論をつくりだし核兵器保有国を国際的に包囲していくことだ。
第3は、核兵器保有国や核の傘の下にある国で核兵器廃絶をめざす世論を巻き起こし、禁止条約への参加を求める運動を発展させることである。
歴史的な核兵器禁止条約を力に、核兵器完全廃絶をめざし力強い運動を進めよう。
人類が初めて、人類の生存を脅かす核兵器を禁止する法的規範を手にした瞬間だ。国連加盟193カ国の63%にあたる賛同が得られたことは、日本の被爆者をはじめ「核兵器のない世界」を求める世界各国と市民社会の長年の取り組みが結実した、文字通り歴史的な壮挙である。理念をうたった前文には、〝ヒバクシャ〟にもたらされた「容認しがたい苦痛と損害」を心にとどめると明記された。
禁止の内容として、核兵器の「開発、実験、生産、製造、取得、所有、貯蔵」「使用、使用の威嚇」があげられた。これは核抑止力−核兵器による威嚇に依存した安全保障論を否定したものとして、大きな意義を持つ。
また締結国の領土と管轄地域の「配置、導入、配備の許可」が明記されたことは、核保有国の行動を大きく制限するものとして重要である。
また条約は「核兵器の使用または実験によって影響を受けた諸個人」に対する支援を「差別なく十分に提供する」ことを、該当する締結国の責任と明記しているが、これは長年にわたり国に対し被爆者援護を求めてきた被爆者の切望にこたえる画期的な条項である。
しかし日本政府は、唯一の戦争被爆国の政府であるにもかかわらず、歴史的な核兵器禁止条約に背を向ける態度をとっている。このことはわれわれ国民にとっては悲しい現実であり、また内外の強い失望と批判を招いている。アメリカの核の傘にしがみつく政府の態度は到底容認できない。
核兵器禁止条約の採択は新たなスタートであり、目指すゴールは「核兵器のない世界」−核兵器の完全廃絶の実現であり、そのためには、三つの点が重要となる。
第1は、この条約にある通り、核兵器を違法化し、核兵器保有国に対して、政治的、道義的に拘束をかけることである。
第2は、この条約をつくりあげた、世界の多数の諸政府と市民社会により、圧倒的な核兵器廃絶の世論をつくりだし核兵器保有国を国際的に包囲していくことだ。
第3は、核兵器保有国や核の傘の下にある国で核兵器廃絶をめざす世論を巻き起こし、禁止条約への参加を求める運動を発展させることである。
歴史的な核兵器禁止条約を力に、核兵器完全廃絶をめざし力強い運動を進めよう。