2017年8月05日(1853号) ピックアップニュース
燭心
安倍政権の支持率が30%を切ったという。当然だ。今まで高支持率であったのが不思議なくらいだが、ようやく呪縛が解け気付き始めたということか▼しかし、安保法制や共謀罪ではなく「もりかけ問題」が契機なのであれば素直には喜べない。民主党政権の崩壊は、民主党政治そのものに国民がNOを突き付けたからだ。今回は自民党体質そのものにNOなのか、それとも安倍ファミリーへの単なる失望なのか▼金田法相や稲田防衛相の閣僚としての資質は言うに及ばず、辞任した大臣も含め政治家としての矜持がなさすぎる。国会での答弁を見ていれば明らかだ。特定秘密保護法の成立や集団的自衛権の閣議決定、安保法制や共謀罪のありえない強行採決など挙げればきりがないほどの傍若無人な振る舞いではないか。それでも支持率は横ばいだった▼都知事、都議選における小池旋風は小泉以来の劇場型選挙だった。まともな政策もないままにマスコミ受けするキャッチコピーと仮想敵(自民党都連)をやり玉にあげ、観客としての都民は見事に乗せられてしまった。同じ場面を、森友、加計学園問題の追及に見ることができる。閉会審査でも与野党お互いにTVを意識したかのようなパフォーマンス。マスコミもまた同様に劇を盛り上げる役目を果たす▼一体、この国はいつになったらまともな議論に対してまともな評価が与えられる国になるのだろう。今は、劇場からでもいい、変われるものなら、という心境だ(九)