兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2017年8月05日(1853号) ピックアップニュース

女医の会インタビュー 22
子どもの成長を見守りたい  明石市 谷 順

1853_03.jpg 祖父が産婦人科医で、父は外科医でした。もともと灘区の方にいたそうですが、空襲で焼け出され、手術の設備や器具もすべて焼けてしまって、明石に来たそうです。終戦直後で設備もないなか、父は地域の患者さんに異常があれば、何でも診るかかりつけ医として診療していました。小さいころからそんな姿を見て、よく話を聞いていたからか、自然と医師の道を選びました。
 小児科を選んだのは、子どもが好きだったからです。子どもとおしゃべりするのが楽しくて。神戸医科大学最後の卒業生で、卒業後は医局に入り、加古川病院での勤務や出産を経て、1977年に開業しました。開業しながらの子育てはすごく大変で、あの時はよくやったなと今振り返れば思いますが、それも楽しい思い出です。
 診療していて何よりの喜びは、子どもの命を助けられたときです。重篤な病気を発見して市民病院に送った赤ちゃんが、数年たって、お母さんと引越しのあいさつに来られました。見違えるほどわんぱく坊主になっていて、うれしかったですね。
 いろいろな子がいました。お父さんお母さんになって、子どもを連れてこられる方もいます。時に3代目の子もいますね。女の子は看護師さんなど医療関係の仕事に、男の子は学校の教師になられる方が多いかな。小さかった子が、診察室の入り口の鴨居に頭をぶつけるほど大きくなり、小学校の先生になって。そうやって、昔診ていた子の成長を見ることができるのが面白いですね。
 趣味は、絵を描くことです。忙しくてなかなか描けないのですが、最近は昼休みや夜など時間が空いたときに描いています。風景や動物など、写真をもとに色や背景をどう表現するのがいいか考えて。一番のお気に入りは、しだれ桜を描いたものかな。季節にあわせて診察室に飾っています。
 絵画の鑑賞も好きです。明石支部で毎年バスツアーを企画し、美術館や展覧会とおいしい食事を組み込むようにしています。たくさんの方が参加してくださって、私の趣味を通して少しでも協会のお役に立てたならば、うれしいです。
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