兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2017年9月05日(1855号) ピックアップニュース

燭心

 湊川公園を歩いていると、懐かしい光景に出会った。縁台将棋である。大きな木陰に人が集っている。近寄ってみると、何組もの人が、パチリパチリとやっている。見物客も加わってにぎやかだ。高齢の男性が多いようだが、こういうコミュニティーっていいなと思う。屋外だから敷居がない。お金もいらない。自然と友人もできるだろう。床几で将棋とはおしゃれだ▼「夕涼みよくぞ男に生まれけり」とは江戸の古川柳である。エアコンなどない時代、男たちは片肌脱いで、盤上に熱くなっていたのだろう。最近では女流棋士も活躍している。中学生棋士藤井聡太君の活躍で、子どもたちやママさんたちにも人気があるそうだ。たとえヘボ将棋で終わっても、いつか人生を彩ってくれる時が来るだろう▼ルーツは古代インドのチャトランガというゲームらしい。それが西へ伝わり欧米のチェスに、東に伝わり将棋になったそうだ。朝鮮にもチャンギという将棋がある。両方の王様の名は楚と漢だという。まるで項羽と劉邦か、悠久の歴史を感じる。その朝鮮半島で、米・朝の核が対峙している。将棋の角と違って何とも物騒だ▼お互いの国の指導者が、口を極めてののしりあっている。かの藤井聡太君の通う将棋教室では、まず礼儀を教わるという。相手を尊敬しあうところからスタートだ。金氏、トランプ氏、どちらも勝負事に関係していそうな名前である。腕自慢はさておいて、まず基本から学び直してはと言いたい(星)
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