2017年9月15日(1856号) ピックアップニュース
原水爆禁止世界大会・長崎
参加記 「あなたはどこの国の総理ですか?」
副理事長 川西 敏雄
閉会総会で発言した長崎協会の本田会長。後列右は、司会を務めた藤末衛評議員
開会総会会場入り口で。前列右から、筆者・樫林歯科の須田氏、後列右から、樫林歯科の濱田氏・東原氏
「あなたはどこの国の総理ですか?」
「今こそあなたが世界の核兵器廃絶の先頭に立つべきです」
この発言は去る8月9日、被爆者団体が要望書を手渡す場で、川野浩一氏(長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会議長・77歳)が安倍首相に言い放った言葉です。首相からは明確な返答はなかったそうです(MSNニュースなどより)。
唯一の戦争被爆国であるにもかかわらず、核兵器禁止条約の交渉に参加せず、署名しようとしないこと、また年齢から推し量っても、よほど腹に据えかねたのでしょう。昨年にはオバマ大統領(当時)が核兵器の先制不使用宣言を検討するにあたり、あろうことか日本政府が待ったをかけました。とても許せることではありません。
このような情勢下で、今回の世界大会は開始されました。7日の開会総会では、核兵器禁止条約の実現に大きな役割を果たした、国連軍縮問題担当上級代表の中満泉氏があいさつされ、被爆者の長年の運動に敬意を表し、核兵器のない世界のため努力したいと語られました。
9日の閉会総会では、本田孝也・長崎協会会長が発言され、保団連の「開業医宣言」を紹介し、人命を守る医師として、戦争にも核兵器にも反対していかなければならないと力強く訴えられました。
「『非核神戸方式』(寄港する外国艦船に非核証明書を求める)を全国に」というゼッケンを着けたまま長崎市内を歩くと、数名から「それは何?」と質問を受けましたので、その場で懇切丁寧に説明をしました。
預かった千羽鶴を、平和公園の「長崎の鐘」に供え、核兵器のない世界の実現を心から願いました。