2017年10月25日(1860号) ピックアップニュース
核兵器廃絶国際キャンペーン
ICANがノーベル平和賞 兵庫協会もキャンペーンに協力
2017年のノーベル平和賞をICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)が受賞したことに対し、協会は武村義人副理事長の談話を発表した。
ICANは2007年に発足した100カ国以上の国際NGOのネットワークで、日本からは全国反核医師の会やIPPNW(核兵器防止国際医師会議)日本支部など7団体が参加している。受賞の理由は、核兵器の廃絶をめざして各国政府や市民へ働きかけ、核兵器禁止条約締結に大きく尽力したことが評価されたため。
兵庫県保険医協会反核平和運動部は反核医師の会とともに、ICAN発足以来このキャンペーンに参加し、核兵器の廃絶に向けた運動を続けている。
談話
ノルウェーのノーベル委員会は10月6日、2017年のノーベル平和賞を、核兵器廃絶運動に取り組む国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン=ICAN」に与えることを発表した。アメリカをはじめとする核保有国と、それに従属する日本政府は、いまだに「核抑止力による平和」という幻想を振りまき、北朝鮮の核をめぐり世界はますます混迷を深めている。こうした情勢の中での今回の受賞は、核兵器を人類に対する「絶対悪」と捉え、一途に廃絶を求めている側にこそ、大義と道理があることを世界に示した。核廃絶に向けた営みを続けてきた多くの被爆者と、それを支え続けてきた全ての人々とともに、この受賞を喜びたい。
兵庫県保険医協会は反核医師の会と共に、ICANが提唱された直後からこのキャンペーンに参加してきた。発端は2007年、兵庫協会が責任団体を担い保団連近畿ブロックを主務として開催した「第20回反核医師・医学者のつどい」である。和歌山協会・松井和夫先生の提起を受け、ICANの提唱者の一人であるティルマン・アルフレッド・ラフIPPNW共同会長を招聘し、いち早く日本にICAN運動を紹介する一翼を担った。講演したラフ氏は「倫理、医療、経済、社会、宗教など全ての問題として、核兵器は廃絶されなければならない」と強調。生物兵器、化学兵器、対人地雷などの武器を廃絶してきた前例をふまえ、「核兵器廃止国際条約」の必要性と実現可能性を訴えると共に「ゆるやかな連合体をつくり、いろいろな地域のあらゆる組織に、このキャンペーンに参加してほしい」と行動提起した。この提起を受けて、全国反核医師の会に結集する日本の多くの医師・歯科医師・医学者が、この10年間様々な形でのICAN運動に取り組んできた。そうした地道な努力が、今回の受賞に結実したことも、改めて確認したい。
重大なのは核兵器禁止条約について、唯一の被爆国である日本政府が批准を拒否していることである。受賞を受けて記者会見したICANのベアトリス・フィン事務局長は、こうした日本政府の姿勢について「日本はアメリカの核の傘の下にあり、アメリカに守られていると考えているが、本当に安全だと思っているのか」「核抑止力に頼るということは、自分も核兵器の標的になるということだ」と述べ、核兵器は決して国家に安全を与えないことを力説した。まさに、われわれが問いかけ続けていたことであり、一刻も早く日本政府の姿勢を転換しなければならない。改めて日本政府に核兵器禁止条約への批准を求めると共に、核兵器廃絶の国際世論をリードする政府をつくるために、一人ひとりが今できることに取り組むことを、これを機会に呼びかけるものである。
ICANは2007年に発足した100カ国以上の国際NGOのネットワークで、日本からは全国反核医師の会やIPPNW(核兵器防止国際医師会議)日本支部など7団体が参加している。受賞の理由は、核兵器の廃絶をめざして各国政府や市民へ働きかけ、核兵器禁止条約締結に大きく尽力したことが評価されたため。
兵庫県保険医協会反核平和運動部は反核医師の会とともに、ICAN発足以来このキャンペーンに参加し、核兵器の廃絶に向けた運動を続けている。
談話
ICANのノーベル平和賞受賞を歓迎する
「核廃絶の世論をリードする政府」実現へ、一人ひとりが取り組みを
武村 義人 副理事長
ノルウェーのノーベル委員会は10月6日、2017年のノーベル平和賞を、核兵器廃絶運動に取り組む国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン=ICAN」に与えることを発表した。アメリカをはじめとする核保有国と、それに従属する日本政府は、いまだに「核抑止力による平和」という幻想を振りまき、北朝鮮の核をめぐり世界はますます混迷を深めている。こうした情勢の中での今回の受賞は、核兵器を人類に対する「絶対悪」と捉え、一途に廃絶を求めている側にこそ、大義と道理があることを世界に示した。核廃絶に向けた営みを続けてきた多くの被爆者と、それを支え続けてきた全ての人々とともに、この受賞を喜びたい。
兵庫県保険医協会は反核医師の会と共に、ICANが提唱された直後からこのキャンペーンに参加してきた。発端は2007年、兵庫協会が責任団体を担い保団連近畿ブロックを主務として開催した「第20回反核医師・医学者のつどい」である。和歌山協会・松井和夫先生の提起を受け、ICANの提唱者の一人であるティルマン・アルフレッド・ラフIPPNW共同会長を招聘し、いち早く日本にICAN運動を紹介する一翼を担った。講演したラフ氏は「倫理、医療、経済、社会、宗教など全ての問題として、核兵器は廃絶されなければならない」と強調。生物兵器、化学兵器、対人地雷などの武器を廃絶してきた前例をふまえ、「核兵器廃止国際条約」の必要性と実現可能性を訴えると共に「ゆるやかな連合体をつくり、いろいろな地域のあらゆる組織に、このキャンペーンに参加してほしい」と行動提起した。この提起を受けて、全国反核医師の会に結集する日本の多くの医師・歯科医師・医学者が、この10年間様々な形でのICAN運動に取り組んできた。そうした地道な努力が、今回の受賞に結実したことも、改めて確認したい。
重大なのは核兵器禁止条約について、唯一の被爆国である日本政府が批准を拒否していることである。受賞を受けて記者会見したICANのベアトリス・フィン事務局長は、こうした日本政府の姿勢について「日本はアメリカの核の傘の下にあり、アメリカに守られていると考えているが、本当に安全だと思っているのか」「核抑止力に頼るということは、自分も核兵器の標的になるということだ」と述べ、核兵器は決して国家に安全を与えないことを力説した。まさに、われわれが問いかけ続けていたことであり、一刻も早く日本政府の姿勢を転換しなければならない。改めて日本政府に核兵器禁止条約への批准を求めると共に、核兵器廃絶の国際世論をリードする政府をつくるために、一人ひとりが今できることに取り組むことを、これを機会に呼びかけるものである。