兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2017年11月25日(1863号) ピックアップニュース

11・16中央要請行動 診療報酬引上げ必ず実現を
会員署名1400筆を提出

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加藤厚労大臣(左端)に、診療報酬引き上げを求める武村副理事長(右端)、住江憲勇保団連会長(右2人目)。左2人目は仲介した高橋千鶴子衆院議員

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盛山正仁(1.中央)・桜井周(2.右)両衆院議員・大門実紀史(3.右)参院議員に、武村副理事長(1.右)・白岩理事(1.左)が、「医師・歯科医師署名」を手渡した

 保団連・協会は11月16日、総選挙後初となる中央要請行動を実施。兵庫協会から、武村義人副理事長、白岩一心理事が参加し、厚労省・財務省・国会議員に「医師・歯科医師署名」1389筆を提出した。会員から寄せられた医療現場からの声を紹介し、勤務医の過重労働、診療所・介護施設でのスタッフ不足の実態を伝え、診療報酬・介護報酬の引き上げと患者・利用者負担軽減を求めた。

加藤厚労大臣に要請
 同日の行動は、医師・歯科医師による医療再生をめざす「ドクターズ・デモンストレーション(DD)実行委員会」とともに実施した。
 DD実行委員会として、武村副理事長(保団連副会長)が、保団連の住江憲勇会長や植山直人同実行委員会代表世話人(全国医師ユニオン代表)らとともに加藤勝信厚労大臣に面談。
 現場のスタッフ不足や過重労働の実態を伝え、診療報酬・介護報酬の大幅引き上げ、医師・看護師・介護職員の大幅増員・処遇改善、患者・利用者負担増中止を求めた。
 また、財務省・岡本薫明主計局長との懇談が、大門実紀史参院議員の取り次ぎで実現した。DD実行委員会の診療報酬引き上げ要請に対して主計局長は、薬価・新薬加算などの改定、薬局の収支見直し、病床の効率化をポイントとして指摘。将来世代に負担をつけまわしており、下げられる要素は下げたいとし、このままでは制度そのものが持続できないと強調。制度を維持することが最大使命などとした。
国会議員4氏と面談
 国会議員との懇談では、盛山正仁(自民党)・桜井周(立憲民主党)両衆議院議員、大門実紀史(共産党)・石橋通宏(民進党・全国比例)両参議院議員が要請に応じた。
 盛山議員は、要請に対し、家族に医療関係者が多く、「他人事ではない」「意識は共有している」と応じた。
 桜井議員は、「当直も含め長時間勤務は医療ミスにつながる」と医師の過重労働は問題との認識を示した。こども医療費無料化については、無料化を進め、若いうちに健康管理、早期治療を行うことが大切であるとした。また、「保険で良い歯科医療の実現を求める」署名の紹介議員を引き受けた。
 大門議員は、兵庫協会発行の書籍『口から見える貧困』について、口腔対策を学校とともに進める取り組みの重要性を指摘した。
 厚労委員である石橋議員には、白岩先生が書籍『口から見える貧困』を紹介。議員は、学校歯科治療調査結果は、大変重要な問題と認識しているとした。
医療・介護関係者が切実な労働実態訴え
 議員会館内で、DD実行委員会が「『診療報酬・介護報酬の引き上げを求める』11・16国会内集会」を開催。医療・介護関係者270人が集まり、医師・歯科医師・看護師らが現場の過酷な労働実態を報告し、「診療報酬・介護報酬の大幅な引き上げと医療・介護従事者の処遇改善・増員を求める」アピールを採択した。
老健局と懇談 介護報酬4月以降も紙媒体認めよ
 介護報酬に関して、厚労省老健局との懇談も実施。
 武村副理事長が、①介護報酬オンライン請求義務化について、来年4月以降の新規事業所も介護報酬の書面請求を認めること、②介護報酬改定の告示・通知の発出を早めることを要請した。
 武村副理事長は、「兵庫県下の医療機関では、医科で約半数、歯科で約75%が紙媒体で請求している(17年10月請求分)」「医療機関の介護保険請求の多数を占めるのは居宅療養管理で、ほとんどが月数人分。設備投資などコストや手間をかけて電子媒体請求するのは不合理だ」と指摘した。
 厚労省は「本来は月単位での改定内容の周知期間が必要と思う。できるだけ早く告示・通知できるようにしたい」と述べた。

会員署名に寄せられた声
〝従業員不足が深刻〟
 協会が取り組む「診療報酬の引き上げと患者窓口負担の軽減を求める医師・歯科医師署名」への協力者が1400名を超えた。一言欄に寄せられた声の一部を紹介する。

・治療の質を上げるためには新しい器具や材料を使用しなければなりません。保険点数には反映されないようなことも患者さんにとってより良いものであれば自らの身を切って行っているのが現状です。
(尼崎市・歯科)

・診療報酬の引き上げなくしては医療資源とする原資が得られず良質な医療を提供する上で齟齬を生じる。
(西宮市)

・政府は常に日本の経済成長をかかげ、賃金、給与の増加を促し、訴えています。しかし、医療機関は、診療報酬が上がらなければ職員の給与を増やすことはできません。...そのような状態でどうして職員の給与を上げていくことができるでしょうか。日本政府は医療従事者の給与だけは例外で、どんどん下がっていってもよいと考えているのでしょうか。政府・厚労省は、医療機関や医療従事者を国の下僕のように扱うのは即刻中止すべきです。
(北区)

・必要な医療をあきらめる患者さんがいます。
(長田区)

・歯科助手、歯科衛生士の未来のため、国の歯科医療の未来のためにも診療報酬の引き上げ、窓口負担の軽減を早期に実現する必要があります。
(南あわじ市・歯科)

・私たち多くの個人開業医師は、1年365日24時間、患者さんの要望あれば応じています。医療費は1度も上がったことなく、患者さんの自己負担も増すばかりです。どこか、まちがっていませんか。
(三木市)

・診療報酬が引き下げられた場合、治療の質を下げて医院収入を担保するしかなくなると思います。患者・医療者の双方にとって不利益になる診療報酬の引き下げは止めていただきたい。
(赤穂市・歯科)

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