2017年12月05日(1864号) ピックアップニュース
第92回評議員会・臨時決算総会・第40回共済制度委員会
診療報酬大幅UPへ声上げよう
(上)診療報酬引き上げなどについて拍手で決議した(下)国家戦略特区の狙いを指摘した郭洋春立教大学経済学部教授
西山裕康理事長は、来年の診療報酬と介護報酬の同時改定について「政府与党は、社会保障費抑制のためには診療報酬引き下げが当然として、マスコミも巻き込んで診療報酬は医師の給与であると、本質から外れた世論誘導を行っている。しかし診療報酬は、国民の医療の質を決定づけるとともに、医療機関の経営を支えるものだ。医療現場では、この間のマイナス改定の下でも、医師の過重労働と経営努力により、患者・国民に必要な医療を提供している。診療報酬の引き上げは医療者、国民、患者に共通する願いであるはずだ」とあいさつした。
武村義人副理事長が、引き続き「頼りになり役立つ協会」をめざし、安倍政権が計画する新たな患者負担増と消費税増税へ反対し、社会保障充実、憲法と平和を守る運動などを国民・団体と共同して進めることなどを後半期の重点課題として提案した。
討論では「医師の技術料への正当な評価を」「自民党による改憲に反対」「保険でより良い歯科医療を求める取り組み」など、医療・社会保障改善、反核・平和に対する運動の強化を求める発言や、各支部での多彩な活動の紹介、病院、勤務医のニーズにこたえる企画の開催、会員拡大への取り組み紹介など16人から発言があり、議案を承認した。
特別講演
国家戦略特区狙いは大企業の利潤拡大
特別講演を行った郭洋春立教大学教授は、国家戦略特区について、政府は外国企業が活動しやすい環境の醸成のためとしているが、先進国においては有効な政策ではないと批判。また特区の認定事業の大半が都市圏に集中するなど、地方と都市部の格差是正にはなんら役立っていないと指摘した。そして特区の本質は規制緩和の突破口を開くことで、その後全国規模で規制緩和を加速的に進める目的だとし、弱肉強食の新自由主義経済を全国に広げ、大企業がさらに利潤を拡大することが狙いであり、国民経済は良くはならないと問題の本質を指摘した。第40回共済制度委員会では、共済事業報告および事業計画案が報告され、特別報告では富国生命保険相互会社取締役常務執行役員の櫻井祐記氏が、「これからの金融情勢を読み解く」のテーマで報告した。臨時決算総会では、16年度決算・監査報告が採択された。