2018年3月05日(1871号) ピックアップニュース
燭心
〝金メダルより金目鯛〟先日ふと入った居酒屋の壁書である。誰が考えたのか、なかなかうまい。白熱の平昌オリンピック、まあ、そんなにメダルメダルと言わずに一杯行きましょうぜ。おやじさんの人柄が分かるようで、つい注文してしまった。こちらも負けず劣らずうまい。居酒屋談議に花が咲くというものだ▼スキーもスケートもそういえば長いこと行っていない。10代20代の選手たちの活躍は、見ていて気持ちがいい。とてもじゃないが、あんな真似はできないが、久しぶりに行きたいな、ベテラン選手も頑張っているしな、そんな話題が続く。試合を終えた後の選手たちの表情がいい。うれしさ、悔しさ、色々あるだろうが、全力を出し切ったさわやかさが伝わる▼政治の舞台でも動きがあった。南北朝鮮代表団が会談を行い、互いの意見を交換した。アイスホッケーでは合同チームが結成された。少し前まで、凍てつくような武力対抗の話ばかりだったが、雪解けに近づく雰囲気が出てきたことを歓迎したい。大きな目標と地道な努力が大切なのはスポーツと同じだ▼居酒屋談議に戻るが、目の飛び出るような値段、いや、金目鯛のことではない。次年度予算の防衛費のことだ。ことあれば安倍首相は朝鮮情勢をあおるが、真っ先にあおりを食うのは社会保障である。せっかくの美酒を前にして愚痴るのは悪い癖であるが、診療報酬改定を前にして、ため息もつきたくなる。〝大砲よりバター〟がオリンピックの精神ではなかろうかと思う(星)