2018年5月15日(1877号) ピックアップニュース
燭心
インド神話、仏教では冥界の王、地獄の王として、人間の死後、生存中の行状に基づいて善悪を裁く者として、閻魔大王が三途の川の入口に君臨し、生前の業により渡る瀬が異なる。地獄、餓鬼、畜生の三悪道が三途の川とされ死後初七日に渡ることになっている▼モリカケ疑惑の中心人物は安倍総理そのものである。国民の大多数はそう思っている。人間誰しも失敗するものである。判断を間違えることもある。特に歴代総理の中でも安倍総理は誤りが多いことを本人も自覚すべきで、正直に早期に国民に謝罪すれば、国民も許すだろう。しかし嘘をついて、その嘘を隠すため、嘘の上塗りを繰り返している。米国大統領レーガンやクリントンも判断ミスや不倫事件もあったが、本人が非を認め国民に謝罪して、大統領を二期務めた▼それに引き換えわが国では三つの川、前川前文科省事務次官、佐川前理財局長、丸川参議院議員と三人の川の字のつく面々が揃っているが、前川氏は正論を述べ、国民から信頼され、立派な次官と高く評価され、今後も各方面から講演会の依頼が多数続くであろうが、佐川氏は文書改ざんで、墓穴を掘り失職、それでも証人喚問で首相夫妻の関与はなかったと答弁した。渡世の義理を果たしたヤクザ同様である。佐川氏の証人喚問時の丸川議員の国会質疑も白々しい。打ち合わせした台詞のようだ▼すべて閻魔大王は御見通しである。賽は投げられた。疑惑の安倍内閣打倒のため野党は結集してルビコン川を渡れ。(鼻)