2018年5月15日(1877号) ピックアップニュース
4・19 中央要請行動
改定の不合理是正 議員へ訴え 要請書1170筆を提出
兵庫協会は、診療報酬改定研究会会場で会員医療機関から寄せられた「診療報酬改善と大幅引き上げを求める要請書」1170筆を兵庫県選出の全国会議員に届けた。桜井周・本多平直(いずれも立憲民主党)両衆議院議員、大門実紀史・武田良介(いずれも日本共産党)両参議院議員が面談に応じた。
各議員に、診療報酬の引き上げと不合理是正、患者窓口負担の軽減を求める会員の声が多数寄せられていることを伝え、あらためて10%以上の大幅引き上げで、安心・安全の医療を実現し、医療従事者の待遇を改善するよう、強く求めた。
改定内容の複雑化や厚労省通知の遅れにより、医療現場で混乱が起こっていることも紹介。新点数の施行まで十分な周知期間の設定を訴えた。
議員からは「周知期間の設定を国に求めたい」(本多議員)、「財務省・厚労省一体の医療費削減政策による現場の矛盾が理解できた」(大門議員)、「診療報酬の抜本的引き上げこそ必要」(武田議員)などの回答があった。
国会内集会
小児救急の縮小 神戸市の事例を発言
昼には、保団連が「2018年度診療報酬改定で医療現場は−改めて診療報酬改善を求める国会内集会」を開催。全国の協会・医会からの参加者や国会議員、マスコミ関係者ら150人が集まった。集会では兵庫協会から、森岡副理事長が、縮小する神戸市の小児救急の現状について発言。小児2次救急輪番が維持できず、2次救急で対応すべき患者が、遠方の3次救急の病院まで搬送されている実態を紹介。地域に密着した病院で小児科病床を維持するためには、医師の絶対数の大幅な拡充と、診療報酬の抜本的な引き上げが不可欠だとした。
桜井議員が、「兵庫の先生方には、毎月の要請行動の中で医療現場の声を届けていただき、大変ありがたい」とあいさつ。兵庫協会の要請書を受け取り、「皆さんの声を国会、厚生労働省、財務省にしっかりと届ける」と決意を述べた。
今次改定の問題点について、武村副理事長(保団連副会長)と宇佐美宏保団連歯科代表が、それぞれ医科と歯科の問題点を報告し、診療報酬の大幅引き上げを訴えた。
以下に要請書に寄せられた、会員医療機関からの声を紹介する。
会員医療機関の声
○医師という専門職の技量を評価するのが初診料と再診料なので、その額がまだまだ低すぎると思います。(医師)
○在宅医療に関して点数が上がったり、新設されたりは良いことだと思うが、施設基準が厳しすぎます。一人で頑張っている開業医にとって、算定不可能なことばかりです。
(医師)
○不公平な診療報酬の改定に対して是正を求めます。初・再診料の減算はありえません。
(歯科医師)
○良質な医療を安定して提供できる診療報酬の確保を求める。
(病院・事務)
○点数は下がる一方。なのに仕事の量が多すぎる。患者へ説明する時間もなかなかとれない。
(診療所・事務)