2018年5月25日(1878号) ピックアップニュース
燭心
季節はうつろい気づけばツバメが営巣し始めている。そういえば桜が散り始めたころツバメの姿を目にしたような気がする。ツバメはソメイヨシノと異なり一斉にというわけではないようだ。営巣しているものもあれば、まだ求愛活動で飛び回っているものもある▼ツバメは東南アジアで越冬し日本にやってくる。あの小さな体ではるばる遠く日本まで、すさまじいエネルギー。もっと近くに快適な場所はないものか▼スペイン語でゴロンドリーナ、19世紀末頃から増加した出稼ぎ型のヨーロッパ移民(季節労働者)のこと。メキシコ民謡では〝ツバメは夏とともに南からやって来て、キラキラ輝く大空をのびのびと自由に、そして優雅に飛び回り〟と美しい表現だが、移民、労働者の苦難を含むこともあるという▼同じく鳥の自由さと、人々の苦難を謳った歌がある。あの有名な「イムジン河」だ。トランジスタラジオが出だしたころ、屋根裏で勉強しながら聴いた曲。歌詞を覚えたくてメモ帳に必死で速記した思い出がある。しかしすぐに放送禁止▼イムジン河の歌詞には、現状を憂い融和に希望を託す熱い思いが込められている。その願いを実現すべく、朝鮮半島の平和と非核化に向けての動きがみられる。まだまだ困難はあろうし、時間もかかるであろうが重要な第一歩だ▼十五年戦争と朝鮮半島、日本との関係は非常に大きい。政府が果たすべき役割は大きいにも関わらず、直接ものが言えない姿は情けない。真面目に真摯に外交努力を(無)