2018年5月25日(1878号) ピックアップニュース
女医の会インタビュー 24
患者さんの心に寄り添いたい 中央区 津田 桂子
働いていると不調を感じても、仕事を休んで受診するのはためらってしまう方が多いと思います。実際、そんな経験をしている友人がおり、そういう方に仕事帰りに気軽に受診してもらえる、駆け込み寺のような存在を目指し、昨年4月に開業しました。こういう診療形態のクリニックは、兵庫県では初めてだと思います。
クリニック名は「そらクリニック」。この名前には、空のような存在になって患者さんを見守りたいという思いと、ブルーになっている患者さんの気持ちを少しでも柔らかく、空色にできたらという思いを込めました。患者さんがほっとできる空間にしたいと、クリニックの内装も自分で工夫しました。
最初は周りから「そんな時間帯に患者さんは来るのか」と心配されましたが、実際、診療を始めると、予想していた以上に患者さんが来られ、悩んでいる人が多いことに驚きました。遅い時間帯でも受診できると喜んでいただいており、開業して1年が経ち、徐々に患者さんは増えています。
一緒に働く仲間も増えました。このクリニックの話をすると、「一緒にやってみたい」と興味を持ってくださる方が何人も現れ、診療を手伝っていただいています。
開業しても、まだ病院で勉強すべきことはたくさんありますし、他の先生方とのつながりもなくしたくなかったので、昼間は病院での勤務を続けています。毎日、昼は病院、夜はクリニックの生活で、ほとんど休む暇もありませんが、悩んで来られる患者さんのことを考えて続けてきました。
忙しい分、休日は旅行に行ったり、家族との時間を大切にするよう意識しています。夫には、私がやりたいことを見守ってくれていて感謝しています。
1年経ち、徐々にペースがつかめてきましたし、病院勤務も週2回に減らしましたので、これからはさらに患者さんとじっくり向き合って診療をしていきたいです。診療以外にも、患者さん向けの瞑想や呼吸法などの勉強会もできたらと考えています。
協会は、新規個別指導の時に助けていただくなど、私にとっての駆け込み寺的存在になっています。これからも保険請求など、困った時には頼っていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。