兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2018年6月15日(1880号) ピックアップニュース

燭心

 「政府は、公文書の改ざん廃棄問題で、記録媒体を粘土板にするよう検討している。粘土板は、痕跡を残さずに書き換えが難しく、焼却すると焼き固められて保存性が増すなど利点が多い。メソポタミア文明で発展し、議会制民主主義が苦手な国にふさわしい方法だ」という嘘ニュースを見つけた(虚構新聞より)▼有史以来、石や紙、フィルム、磁気テープ、光ディスクなどの記録媒体が利用されてきた。基本要件は「書き込める」「読み出せる」「保存できる」の3つだ。新しい媒体は、高速、大量、書き換えなど「書き込める」では優位だが、「読み出せる」に関しては弱い。LPレコードはまだしも、カセットテープやレーザーディスク、ベータフォーマットのビデオも再生装置の寿命が近く、シングル8はもう見られない▼「保存できる」はアナログが圧勝だ。約2万年前の壁画や、紀元前3500年頃の粘土板の文字なども残っている。板、パピルス、羊皮紙などでは1000年以上経った今でも読み取れる。一方、デジタル媒体はハードディスクで5年、光ディスクでも10〜50年である。私の人生後半の記録はほぼデジタルデータで短命だ。記録を残したい思いもあるが、子孫は遠い先祖にはそれほど興味がない。墓石だけでいいだろう▼現首相やDAIGOはおじいちゃんを意識しているだろうが、スケートの織田信成や織田家の末裔たちは信長をどう思っているのか。そして、先祖にこだわるcomplexの深層は何なのだろうか(空)
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