2018年7月05日(1882号) ピックアップニュース
社会保障の拡充は 「応能負担」で実現させよう
第50回総会を開催 青井貴之神戸大学教授が記念講演
西山裕康理事長はあいさつで「診療報酬改定は全体で1.19%のマイナス改定となるなど、協会の要求とはほど遠く、これでは医療機関の経営や医療従事者の労働環境改善は望めない。社会保障は能力に応じて負担し、必要に応じて給付を受けるものであり、内部留保を積み上げる大企業が保険料負担や法人税で応分の負担をするべきだ。加えて医師の働き方改革も、安全・安心の医療を提供するのに不可欠であり、そのために協会は勤務医部を新たに立ち上げた。勤務医とともに活動を発展させていきたい」と訴えた。
iPS細胞を用いた最先端の癌治療研究について講演する青井貴之先生
討論では、「保険でより良い歯科医療」を求める運動、社会保障財源確保のための国の財政政策、診療報酬・介護報酬同時改定対策や組織拡大、協会の情報発信力の強化について、5人が発言した。
最後に医療・介護利用者負担増計画をやめ社会保障を拡充すること、消費税増税を中止し、医療機関の控除対象外消費税問題を抜本的に解決すること、保険でより良い歯科医療の実現へ向け歯科保険適用範囲を拡大すること、東日本大震災や熊本地震など災害被災者に対し、国の責任で支援を抜本的に強めることなどを求める決議を採択した。
記念講演では、神戸大学大学院医学研究科内科系講座iPS細胞応用医学分野教授の青井貴之先生が、「iPS細胞・細胞運命操作・癌」と題して講演。iPS細胞や細胞運命操作技術の最新の研究内容について語り、iPS細胞の技術を用いた癌の治療方法の研究を紹介した。