兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

兵庫保険医新聞

2018年8月05日(1885号) ピックアップニュース

西日本豪雨災害 県下全域58医療機関で被害
会員訪問・見舞活動に全力

1855_02.jpg

被災した先山先生(右)を西山理事長(中央)・鈴田理事(左)がお見舞いした

1855_03.jpg

先山クリニックでは裏山が崩れ、土砂が壁まで押し寄せている

泥に覆われ診察再開できず
 西日本豪雨災害を受け、協会では7月9日から会員の被害状況の把握と被災医療機関訪問、見舞いを実施。7月23日現在、会員58医療機関で一部損壊・浸水などを確認した。被害は県下全域に及んでおり、特に神戸市北区・有馬の先山クリニックでは、土砂が医療機関になだれ込むなど、非常に苛酷な被害も起こっている。

 先山クリニックでは裏山の砂防ダム上流で土砂崩れが発生。クリニック裏側の壁面が土砂やガレキで埋まり、院内全体に膝上まで土砂が流入、冠水した。雨がやんだ後も、院内に堆積した泥をかき出す作業に1週間を費やしたが、医院周辺の土砂の撤去の目途が立っていない。神戸市の避難指示も解けず、3週間以上、診療休止が続いている。
 協会は西山裕康理事長、鈴田明彦理事が7月30日に先山クリニックを見舞訪問した。
 また、他の被災会員を協会事務局が訪問。被災会員からは「なすすべもなく浸水してきた」「近くの地域が避難対象になり、自宅で住民を受け入れていた」「医療機関の天井が抜けた」「先の地震でひび割れたところから浸水してきた」などさまざまな困難が報告されている。
訪問・見舞活動理事会で決定
 協会は、7月14日の理事会で被害状況を確認し、(1)より一層会員の被害状況の把握に努める、(2)会員医療機関の見舞いを継続して行うとともに、ニーズに応じた必要な手立てをとる、(3)引き続き情報発信を行う、ことなどを確認した。
 また、阪神・淡路大震災の際、全国の多大な協力を受けた協会として、今回の豪雨で激甚災害に指定された広島・岡山・愛媛の3県の保険医協会に対して、お見舞いと対応を行うことも併せて承認し、その後3県の保険医協会への協力を継続して行っている。
岡山・真備地区に役員を派遣
1855_04.jpg

武村副理事長(右2人目)と福岡歯科協会の杉山副会長(右端)が避難所となっている岡田小学校に口腔ケア資材を支援した

 7月15日には武村義人副理事長、中津正二先生を、甚大な被害のあった岡山県倉敷市・真備地区に派遣。福岡歯科協会の杉山正隆副会長、熊本協会の山口彩子先生とも合流・協力し、水島医療生協歯科診療所、真備歯科診療所、岡田小学校などを訪問した。岡田小学校では、歯ブラシ、歯間ブラシなど、口腔ケアに必要な資材を差し入れるとともに、武村・中津両先生が避難している住民の方々の健康相談に応じた。
 また岡山協会理事会の要請を受け、18・19日の両日、武村副理事長と事務局員5人を派遣し、岡山協会の会員訪問活動に参加した。今後、広島・愛媛両協会への訪問も予定している。西日本豪雨や台風12号により被災された先生で、協会へのご連絡がまだの方は、電話078-393−1817までご連絡ください。
バックナンバー 兵庫保険医新聞PDF 購読ご希望の方