2018年8月25日(1886号) ピックアップニュース
古賀誠元自民党幹事長が平和への思い語る
"憲法9条は世界遺産"
戦争を繰り返さないため憲法9条護持を訴える古賀氏
古賀氏は、戦中の1940年生まれで、政治家としての原点には、父を出征で亡くし、遺された母が朝晩休みなく行商をして働いて、育ててくれた経験があると振り返った。政治家になる際も、母のような戦争遺族を生まないよう、戦争を繰り返さない政治の実現が志となったという。
戦争放棄をうたう憲法9条は、国民が戦争への反省と決意を込め、日本の国は再び戦争を行わないということを、世界の国々に発信しているものであると評価。9条のもとで日本は戦後73年、一度として他国との戦禍に交わることなく、不戦を貫くことができているとし、世界遺産であると語った。
そして、「9条1項2項は一字一句変えないということが、政治家としての信念」とし、他の政治家から非現実的という批判があるが、9条は理想を語っているもので、その実現のためにがんばるのが政治であり、「9条に込められた決意と覚悟をしっかり持てば、日本が再び軍事国家としてよその国と同じような道を歩む必要はない」と語った。
安倍政権について経済政策は評価するとしながら、平和の問題については懸念を表明した。集団的自衛権の行使を容認した閣議決定や、自衛隊を憲法に書き込むとする改憲案などを見ると、「一つ間違うとまた戦争のできる国になってしまうのではないかという大きな怖さと不安を持っている」とした。
靖国神社については、父を出征させた責任者を一緒に祀っているとして、母が本殿へ参拝しなかったというエピソードを紹介しながら、A級戦犯の分祀の必要性を訴えた。
盛山衆院議員があいさつ
盛山正仁衆議院議員(自民)が参加し、「古賀先生に宏池会で長らくご指導賜ってきた。先生は日本遺族会の会長を長く務められ、当然靖国神社を参拝すると思っていたが、一度も昇殿をして参拝をしたことはないと言われ、驚いた。理由を聞いたところ、『おふくろが喜ぶと思うか』と言われ、私の考えが大変浅かったと感じた。弱い人の心を忘れずに政治活動を続けてこられた」とあいさつした。講演後、西山裕康理事長が「私は戦争を知らない世代だが、今日のお話を、本日参加の皆さまとともに伝えていきたい」とあいさつした。尼崎市の高原周治先生が司会進行を務めた。