兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2018年9月15日(1888号) ピックアップニュース

燭心

 2019年度予算の概算要求基準が7月10日に閣議決定され、各省庁は8月末に財務省に予算要求をした。要求総額は過去最高の102兆円。当初社会保障費の自然増の抑制については明確な数値は示さなかったが、6000億円増までしか認めない方針だ。自然増を満額認めないのは今より医療環境が悪化することを意味する▼「待機児童ゼロ」「介護離職ゼロ」など目を引く政策、看板を次々に架け替えてきた安倍内閣。保育士や介護士を増員する具体策はなく実現不可能な政策ばかり。来年度も改善される希望はない▼一方で導入の意義が疑問視される「イージス・アショア」。値段は膨れ上がっても気前よく購入。石垣島を含む4カ所にもミサイル迎撃のためとしてPAC3を配備。北朝鮮・中国の脅威を煽ることで防衛費は青天井の5.3兆円▼テレビではこのような国民生活にとって重要な問題は一切報道されない。以前はタレントのスキャンダルを延々と流したが、最近では日大のアメフト問題を筆頭に、体育会系のパワハラ・組織問題を面白おかしく流し続ける▼折りしも日本列島は大災害の連続。〝超常現象"が起こったかのような報道が目立つ。生命を、生活を失った、またこれから多くの借金や苦難を抱えることになる被災者側に立った報道は少ない▼この状況で、実際に使用することのないミサイル迎撃システムをきっぱりと断念し、実際に困っている被災者・地の支援へ方向転換する、これが国家のあるべき姿ではないか。(無)
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