2018年9月25日(1889号) ピックアップニュース
今回はWチャンス 患者負担増阻止へ
2005年から実施している「クイズで考える日本の医療」。今回は「患者窓口負担増」をテーマに取り組む。
政府は75歳以上の高齢者の窓口負担を、現在の1割から2割へ倍増させようと検討中で、実施されると患者さんの受診抑制が深刻になり、重症化することが想定される。
クイズでは、75歳以上の高齢者の窓口負担を2割に引き上げようと財務省が提案していることや、外来医療費の窓口負担がイギリスやドイツでは原則無料であることなどを解説している。歯科についても、口腔機能が高い高齢者は転倒を予防できるとし、歯科受診の重要性を説明している。
今回はWチャンス
正解者の中から抽選で兵庫県内のグルメ景品が当たる。今回は当選本数は200本と、前回と同様だが、保団連が全国で行っているクイズハガキへの応募も兼ねており、ダイソンハンディクリーナーなどが当たる。これまで取り組んでいなかった先生も、患者負担増阻止へ署名と合わせてぜひ、取り組んでいただきたい。
クイズチラシの見本は署名と併せて9月末にお届けする。ご注文は、電話078-393−1807まで
ラジオでも医療の話題
協会提供のラジオ番組もスタートする。ラジオ関西「寺谷一紀と! い・しょく・じゅう!」内の「聴く医療 医療知ろう!」コーナーに会員が出演し、パーソナリティーの寺谷氏らと一緒に医療についてトークする。コーナーは2010年から毎年続けており、病気の予防や治療に関する健康情報から、国の医療政策の問題点まで多岐にわたるテーマについて会員が出演し、分かりやすく解説する。コーナーの放送は10月4日から来年3月28日までの毎週木曜日、19時40分頃から約10分間。10月4日の第1回目は、西山裕康理事長が出演する。
「みんなでストップ! 患者負担増」署名にご協力を
理事長 西山 裕康
会員の皆さま、平素は協会活動にご理解・ご協力いただき感謝いたします。
さて、政府は、「骨太の方針2018」を策定しました。今回は、社会保障費抑制の具体的な数値目標こそ設定されませんでしたが、財務省はこれまで以上の抑制を行うとしており、予断を許さない情勢です。
政府内では「75歳以上の窓口負担の1割から2割への引き上げ」「受診時定額負担の導入」など、患者負担増を中心にさまざまな給付削減策が具体化されようとしています。
国民皆保険制度は「いつでも、どこでも、だれでも」という普遍性と公平性とを旨とし、先達たちが苦労して作り上げた世界に誇るべき制度ですが、その歴史は、患者窓口負担金を下げる努力と工夫であったとも言えます。
また「だれでも」は、低所得者と置き換えていいでしょう。昨今、患者窓口負担は増加の一途ですが、低所得者や病弱者を中心に生じる受診抑制は、患者窓口負担増の確信犯的副作用とも言えます。それらの人々がお金の心配なく受診出来てこその「皆」保険制度です。
もちろん、医療費の財源は「公費」「保険料」「患者窓口負担」の3者です。前2者は不十分ながら「応能負担」ですが、「患者窓口負担」は「受益者」負担ならぬ「受難者」負担であり、財源不足を患者窓口負担に付け回すのは、公的医療保険制度としては方向違いです。また患者窓口負担の増加は、年齢別、職業別、地域別の制度設計と相まって、皆保険制度が育んできた「公平な負担と平等な給付」という国民の共有意識を失わせます。
協会は、これらの患者負担増を阻止するために「みんなでストップ! 患者負担増」署名に取り組むことにいたしました。今回の目標は、前回2017年3月より少し上乗せし、会員参加率15%(前回目標10%)、署名総数5万筆(前回目標3万筆)とさせていただきました。本年6月に実施した「会員意見実態調査」では、会員の約61%が負担増に反対(速報値)でしたので、全正会員数5760人からみて、ぜひとも達成したいと考えております。
日々の診療でお忙しいこととは存じますが、患者さんの声を集めて届けるため、今回の署名活動にご理解をいただき、ご協力を賜りたくお願い申し上げます。