兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2018年10月05日(1890号) ピックアップニュース

燭心

 「女性医師の方が男性医師より患者の死亡率や再入院率が低いことが明らかになった」と、2016年のJAMA(オンライン版)に掲載された。全米各紙で話題となり、翌年の「一般社会で関心の高かった論文」トップ100の3位に選ばれている▼急性期病院入院の65歳以上、4年間およそ130万人分のデータから算出。有意差の理由として、女性医師の方が「ガイドラインの遵守」「患者との良好なコミュニケーション」「専門家へのコンサルテーション」を行う率が高いことが推測されている。さもありなん、である。日本より女性医師数の割合の高い国は少なくないが、医療レベルが低いとの話は聞かない▼「医師の働き方改革」では、女性医師の出産、子育て時期の休職や時間短縮労働が、医師不足のマイナス要因のように取り扱われ、男性の80%とカウントするだの、もっと低いだのと言われている。何をか言わんや、である。仕事の効率や出来に男女の差はない▼後輩のヨット部を見ても、知識と技術と精神力を鍛えた女子は前を走るし、世界中には私より知力、体力、気力が上回る女性は星の数ほどいるだろう。大排気量スポーツカーは目を引くが、うるさいし、燃費も悪いし、故障も多く、早めに廃車になりがちだ。男性優位は時代遅れの価値観だ▼自分の主治医は女性医師に...と言いたいところであるが、十分な休息で体調を整えて、冷静な頭、普段通りの技術、そして熱い心で、協同してチーム医療を行うよう望む。(空)
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