2018年11月05日(1893号) ピックアップニュース
燭心
「全世代型社会保障」安倍内閣の新看板。そもそも社会保障は全世代にわたるべきもので、その意味がよく分からない。これは消費税を引き上げる口実に過ぎない。不都合なことはすべて自己責任とし自助・共助を押し付ける。これまでも何度も看板を架け替えるも、結果に関して何の反省もない▼自己責任といえば1996年、厚労省が「成人病・慢性疾患」を「生活習慣病」と言い換えたころ、橋本政権6大改革のころ。自己責任論が前面に押し出され、この頃から社会保障制度が急速にやせ細っていく▼最近では「健康寿命」の言葉がよく使われるようになった。それなりの意味合いはあるのだろうが、切り口を変えると〝医療にかかるな・介護保険を使うな〟というメッセージに聞こえてくる▼加齢により、精神的にも肉体的にも能力は当然低下する。予防できることならそれにこしたことはないが、他人の世話になること、認知機能が低下して日常生活に介助のいることが、〝悪いこと〟でそのような人間は〝ダメ〟なのか▼原因はどうあれ障害があってもさまざまな介助を利用し人生を謳歌している人も多くいる。認知機能が低下しても、楽しく生き生きと人生を送れることも十分にある。お金の心配なくその人らしく人生を全うする。そのための施策が本当の社会保障だ▼「全世代型社会保障」を謳いながら、一方で患者負担増の政策。消費税が社会保障に回らない証拠である。多くの人と対話し、旺盛に署名活動に取り組もう(無)