兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

兵庫保険医新聞

2019年1月05日(1898号) ピックアップニュース

燭心

 昔から「嘘をついたら閻魔様に舌を抜かれる」「針千本飲ます」など嘘をつくことは重罪で厳しい処罰が待ち構えている。改憲が取りざたされて久しいが、かつて作家の住井すゑ氏は「103もの条項は必要ない(1)嘘つくな(2)人を殺すなの2条で十分」と提案した▼昨年の臨時国会では、改ざんされたデータ、嘘の答弁、追及されれば強行採決といったあまりにも稚拙、乱暴、国民に背を向けた運営が目立った。小学校の学級委員会でもこんなことは起こりえない。何枚抜いてもまた生えてくる政府要人の醜悪な舌だ▼混乱の中で成立した「水道民営化」法。国民に詳細な説明はない。各自治体からの要望というも、宮城県のみであったり、世界での失敗例は調査済とするも3件のみであったり、某国の水メジャーが立案に参加するなど、嘘・ペテンの一語に尽きる▼製塩・たばこ販売事業、鉄道・郵政・電信電話事業等、さまざまな民営化が進む中、民営化されたJRは当初ローカル線の廃止はしないと明言。しかしJR北海道は経営難で再度国営化も考慮、またJR四国は全線廃止まで噂されるありさま▼水道民営化はライフラインの問題であり、これまでの民営化とは性格を異にする。経済学者の宇沢弘文は「水や大気、森や河川といった自然環境と、道路や交通機関、水力や電力といった社会的インフラ。教育や医療〜制度資本は、誰の生活にも不可欠な『社会的共通資本』であり、利潤追求の市場原理にゆだねてはならない」とする(無)
バックナンバー 兵庫保険医新聞PDF 購読ご希望の方