2019年1月25日(1899号) ピックアップニュース
生活保護指定医療機関への個別指導
改善求め尼崎市と懇談
協会は、長期間の診療報酬返還を伴う突然の指導への困惑や指導内容に対する疑問など、会員の声を紹介。受給者への医療が萎縮しないよう、本来の趣旨である「被保護者の処遇の向上と自立助長に資する」(生活保護法による医療扶助運営要領)指導を強く求めた。
2018年に入り、尼崎市(南部保健福祉センター保健福祉管理課)から生活保護の個別指導を受けた会員医療機関より、協会へ「診療報酬の返還ありきの印象で納得できない」「医療現場の実態を考慮しない指導であった」などの相談が複数寄せられている。個別指導の内容は主に在宅医療に関する事項で、カルテ記載や、同意書、計画書の有無などが点検されている。「通院可能」と判断され訪問診療が「不適切」とみなされた事例や、同一患者への複数医療機関による在宅時医学総合管理料の算定事例などについて、最大5年に遡って診療報酬の返還が求められている。
懇談に先立って協会が11月27日に提出していた「生活保護指定医療機関への個別指導に関する質問及び改善要請」に対して、尼崎市から12月25日付で回答があった。
生活保護をめぐっては、医療扶助でのジェネリック処方の原則化などの差別的扱いをはじめ、保護費の切り下げや受給者への不当なバッシングなどの問題がある。協会は、生活保護制度や受給者の受療権を守る観点からも、今後も引き続き会員医療機関からの相談に応じながら、適切な指導が行われるよう、同市に働きかけていく。(次号に懇談詳報)