2019年2月25日(1902号) ピックアップニュース
燭心
漢和辞典をひくと、「文」という文字はsentenceとは別に動詞として、飾る、粉飾するという意味もある。モリカケ問題で、公文書改竄、廃棄、隠蔽して、忖度官僚のとかげの尻尾切りで逃げ切り、政権を維持してきたが、好況という実感のないアベノミクスもいよいよ統計不正が明らかになった。内閣府に対する厚労省のまたしても忖度か▼正確な統計によってのみ国家の政策が決定する。太平洋戦争前、日米の工業力や経済力の正確な統計を国民に提示していなかった。大本営発表等、嘘の情報を戦意高揚のため流し続けていた。本当のことを報道していたら、戦争を回避する国民の世論が起こっていたであろう。殷鑑遠からず。ギリシャが国家財政の統計数値を意図的に偽装したため、その後国家の信用がなくなって、海外からの投資がなくなり経済困難に陥った▼今から2500年前の中国春秋戦国時代の論語に「過而不改、是謂過矣」過ちて改めざる、是を過ちと謂う。誰にも過ちはある。過ちを自覚しても改めようとしない。これが本当の過ちである。さらに「 小人 の過つや必ず文 る」徳のない人間は、誤りを自覚しても粉飾(これを文 るという)したり、弁解したり、過ちでないと強弁する。南宋の朱熹も同様のことを述べているが、安倍内閣の政策はこの言葉「文 る」に凝集されている。 已 んぬる哉 、情けない▼科学技術は進歩したが政治は変わらず。歴史に学ばない安倍偽装政治に退場を勧める世論が起こってほしい。(鼻)