2019年3月15日(1904号) ピックアップニュース
2・21国会要請行動
国保料引き下げで社会保障拡充を
協会は国民健康保険について、所得100万円未満が6割を占める中で、2019年度は国民健康保険料の大幅な引き上げが予想されるため、国庫負担増を要請した。国保の構造的矛盾は、低所得の加入者に対して、平等割、均等割など、所得と関係なく一律に保険料を課していることだとし「応益割」の名による一律の保険料負担をやめるよう求めた。
また消費税について、医業経営に重大な影響をもたらす10%増税を中止し、医療非課税を真に実現するため、保険診療にかかる消費税はゼロ%で課税して還付を受ける「ゼロ税率」を導入するよう強く求めた。
盛山議員は要請に対して、「国保の状況が大変なのはよく分かる」としたが、「要望実現には財源が問題。国保に財源投入すれば、どこからか別の財源を削らなければならない」と語った。
大門議員は、「アベノミクスで地方がどれだけ疲弊しているか、首相は感じていない。増税を3回延期すれば財界からの信用はなくなる。消費税をめぐる見解の相違は脇において、今年10月の10%実施だけはやめさせるという一点で野党は共闘できている。そもそも消費税で370兆円増税したが、法人税と所得税で570兆円税収を減らしている。消費税増税ではなく、法人税と所得税を元に戻すことが必要だ」とした。
山下議員は「国保料については均等割という名の人頭払いをやめさせないといけない」などと応じた。
広田議員と野田議員にも要請書を手渡した。
国会内学習会
消費税はいま上げるべきではない
当日昼には「消費税−いま上げるべきではない」国会内学習会が開かれ、醍醐聰東京大学名誉教授が講演した。醍醐先生は、「消費税増税はなぜダメなのか」と題して、ポイント還元の問題点などを解説。特に企業間の取引にもポイントを付けるのはポイント詐欺の温床になると指摘した。また軽減税率導入にあたり、細かな条件を付けるため、混乱は必至とした。
そもそも諸外国の付加価値税と比較すると、標準税率では20%としているイギリスでは食料品はすべてゼロ、カナダ、オーストラリアもゼロ、ドイツは標準税率19%だが食料品は7%など、食料品に8%もの税率をかける国は日本以外にはないとし、日本の消費税と世界の付加価値税には、税率構造の違いがあると強調した。