兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2019年4月05日(1906号) ピックアップニュース

燭心

 4月1日、ひそかに〝消費税記念日〟と呼んでいる。国民が初めてこの税を体験したのは1989年、平成が始まった年である。当初3%であったのが5%(1997年)、8%(2014年)と上がった。いずれも4月1日、そのたびに「福祉・社会保障に使う」という口実だった。まさかエイプリルフールの嘘でしたと言うのではなかろうが▼高齢者医療費の窓口負担を例にとると、当時の外来月800円から、今や3割負担、大病院では初診料がさらに上乗せである。税率が上げられたのが、阪神・淡路大震災や東日本大震災の後というのも納得しがたい。やっと復興にさしかかった被災地の経済が、2度目の激震に襲われたようなものだ▼今秋、3度目の増税が迫っている。10%になると景気の落ち込みが心配だ。先日の世論調査では、景気回復を「実感していない」とする人が8割を占めた。安倍首相も国会で「実感できない方がたくさんいることも承知している」と認めざるを得ない状況である。ややこしい「軽減税率」より、増税中止が一番の景気対策だと、党派を超えて増税反対の運動が起こっている▼税を考える時「日本国憲法の観点を欠いてはいけない」、当協会のシンポジウムでの、浦野広明税理士の発言である。税のあり方を決めるのは安倍首相ではなく、主権者・国民である。もうすぐ統一地方選挙の投票日。税の取り方、使い道を決めるものである。国政にも大きな影響を及ぼす。しっかりと考えて投票したい(星)
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