2019年8月25日(1918号) ピックアップニュース
燭心
古今東西、隣接する国家間は仲が悪いことが多い。仲が悪いので国境や海峡で一線を画すとも言える。仲が良かったら連邦国家か帝国になっている。歴代中国の王朝と朝鮮やベトナム、英仏、独仏、イスラエルとアラブ諸国、インドとパキスタン等々▼最近の日韓は為政者が国民を煽動し、外に敵を作ることにより、国内の不平不満を外へ向けさせ、結果的に政権与党への求心力を上げようとしている。歴史的には専制国王や皇帝が、国論を挙国一致させ、対外戦争へ誘導しようとしたこともある。フランス皇帝ナポレオン3世は内政の失敗と偉大な伯父と比較されるのを嫌って意図的に外に敵を作って(安倍首相と似ている)、アロー戦争や普仏戦争を仕掛けた。仏独間の遺恨はその後も続いた。それは何も国家という巨大なGesellschaft(利益社会)だけでない、家族というGemeinschaft(共同体)に於いても。外に敵を作ると日頃仲の悪い兄弟でも一致協力する。人間とはそういうものだ▼政権与党や一部のマスコミは誇張して国民を唆 しアジテートする。韓国も不況で若年失業者が増え、日本の安倍内閣もアベノミクスの失敗、北方領土、拉致問題等々、公約の進展はない。為政者は隣国を敵視して、国民の結束を促そうとする。同類相憐れむ。日韓の両首脳は政権与党への求心力を高めるため、恣意的に外敵を作っているようだが、賢明なる国民は冷静になってこの茶番劇に早く気付いてほしい。愚者は経験に学ぶが、賢者は歴史に学ぶ(鼻)