兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2019年10月15日(1923号) ピックアップニュース

燭心

 原発の関連工事を関電から受注していた地元土木建設会社の顧問を務めていた高浜町元助役が関電幹部に金品を渡していた。この会社は関電から過去4年間で30億円超の工事を受注しており、元助役には手数料として3億円が流れ、そのカネが関電幹部に配られた▼発覚は税務調査によるものだが、その後も関電はこの問題を公表せず、世間に知れたのは内部告発だと言われる。関電の労働者からは「社員には給料カットをしておきながら、幹部が電気料金を原資とする工事代金の一部をポケットに入れるなど許されない」との声が上がっている。内部告発は当然であろう。業者は工事代金の1割にも上る額を元助役に渡しており、それできちんと工事ができるのかも疑わしく、恐ろしい▼他の原発を抱える電力会社も大同小異であろう。これまでにも原発が立地する自治体や地元の業者には消費者が負担する電気料金を原資としてさまざまな便宜が図られてきた。今回はそのカネがさらに電力会社幹部にも還流していたことを示している。元助役と関係の深い会社から自民党の世耕弘成参院幹事長や稲田朋美幹事長代行に献金が行われたことも明らかになっている。原発マネーは立地自治体対策だけでなく、電力会社幹部や政治家を潤すためにも使われていたのだ▼こうしたことを防ぐためには会社法や独占禁止法、政治資金規制法の強化が必要だが、やはり重要なのは脱原発だ。また、消費者としても新電力への契約変更などできることもある。(蓮)
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