2019年12月05日(1928号) ピックアップニュース
燭心
「桜を見る会」問題は沈静化したかもしれないが一言▼内閣府は「大型連休をはさんで使用が重なり、処理の予約が取れなかった」ため、一カ月後の資料請求の日と名簿廃棄日が一致したとする。このシュレッダーは、1分間に何千枚も処理可能で、「1カ月使えば政府の書類を全部廃棄できる」らしい。近年まれにみる「言い訳」の傑作だ。「朝ごはんがカニだったので遅刻しました」に匹敵する▼全国から集められた1万5千人以上の名簿はデジタルデータで各パソコンに残っている。消去しても復元など簡単だ。誰がどのルートで取捨選択されたのか明らかにすべきだ▼そもそも公文書は国民共有の知的資源である。現政権には、民主主義の前提となる情報の公開や管理を適切に行う意思が全くない。都合の悪い文書は廃棄するなど、時代錯誤も甚だしい▼一方、マスコミもこの問題を報じているが、今年4月には何の疑いも持たず、どの芸能人が参加したなど華々しく報じていた。さらに問題発覚以降、フジサンケイグループの日枝久代表や読売新聞東京本社の常務取締役論説委員長並びに取締役編集局長、日本経済新聞社の秋山光人特別顧問、内閣記者会加盟報道各社のキャップなどが、首相と会合や会食を重ねている。何を語ったのだろう▼その昔、最晩年の秀吉は、諸大名からその配下の女房女中衆(女性限定!)約1300人を召し従えた「醍醐の花見」を開催し、その後約5カ月で没したという。現政権の最後も近いのだろうか(空)