兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2020年2月15日(1933号) ピックアップニュース

2019年空気の汚れ全県調査結果
大気汚染は悪化傾向引き続き調査へご協力を
環境・公害対策部長  森岡 芳雄

 昨年6月6~7日に実施した、県内各地の大気中二酸化窒素(NO2)濃度測定調査(空気の汚れ調査)結果が明らかになりました。この調査は、県内の公害・環境団体等が実行委員会をつくり、91年から毎年実施しているものです。今回は県下1571個の調査カプセルが集まり、協会でも220個のサンプル協力を得ることができました。調査にご協力いただき感謝いたします。
 今回、協会の調査結果分で、WHOの環境基準(国の旧環境基準)以上である窒素酸化物濃度(NO2)20ppb以上が測定された観測地点は220カ所中85カ所でした。前回は213カ所中44カ所でしたので、大気汚染の悪化傾向がみられました(図)。主要幹線道路の近くや都市部および工場地域など、京阪神間で高い数値が出ている傾向がみられました。また、高層住宅や歩道橋、陸橋、交差点付近などで特に高い数値が出ており、空気の流れなどからホットスポットが発生していることが明らかになりました。こうした現状を知る必要性からも、生活環境に密着した場所での自主調査は重要だと考えています。
 さらに、神戸製鋼所は灘区で石炭火力発電所の増設工事を着工しています。石炭火力発電は地球温暖化の主要な原因物質であるCO2排出量が多いだけでなく、NO2をはじめとした大気汚染物質も大量に排出します。大気はきれいに越したことはありません。石炭火力発電所増設による大気汚染を許さないためにも、空気中のNO2濃度の測定・監視を継続していく必要があります。
 協会・同実行委員会は大気汚染の改善を、国や県に引き続き求めていきます。
 また、2020年の「空気の汚れ全県調査」は、6月4~5日の日程で実施します。日程が近づきましたら注文用紙を皆さまにお届けしますので、今年もぜひ調査にご参加いただきますようお願い申し上げます。
※全県調査の結果は、実行委員会が報告冊子(1部1000円)と、CD(1枚500円)を発行しています。購入希望の先生は、電話078-393-1807まで。

図 大気汚染の悪化傾向がみられた
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