2020年2月15日(1933号) ピックアップニュース
1・30国会要請行動・歯科技工問題を考える国会内集会
金パラ逆ザヤ解決を
国会要請行動では、加藤・川西両副理事長が兵庫選出の議員を中心に25人の国会議員事務所を訪問。歯科治療に用いる金銀パラジウム合金(以下「金パラ」)の購入価格が、保険材料として償還される公定価格を大幅に上回る、いわゆる「逆ザヤ」として歯科医院経営を圧迫し、治療するほど医療機関の持ち出しが増大する実態を訴えた。
要請行動に先立って保団連は「金パラ」の市場価格と公定価格との乖離の実態を明らかにすべく、昨年より「金パラ『逆ザヤ』シミュレータ」調査に取り組み、 会員医療機関での金パラ購入価格を調査。その結果、歴月の平均購入価格(30g・税込)は2019年9月が5万9266円、10月6万3965円、11月6万5595円、12月6万7750円、2020年1月には7万5420円と高騰しており、現在の公定価格である5万250円と大幅な乖離が生じている現状が明らかになっている(図)。
協会の要請に対し桜井周衆議院議員(比例近畿・立憲)は、「金パラの急激な高騰が歯科医療に影響を及ぼしていることがよく分かった。改定では、この間のマイナスを埋めるほどの措置が必要ではないか」、山下よしき参議院議員(比例・共産)は「医療機関の負担のみならず、ひいては患者の健康を左右する重要な問題だと思う」とした。
国会内集会
技工問題の改善へ歯科医療費の総枠拡大を
同連絡会は集会後、歯科技工士養成機関関係者と懇談を実施。雨松真希人連絡会会長や、宇佐美宏保団連副会長、兵庫協会の加藤副理事長ら歯科医師、歯科技工士が参加した。柿本和俊氏(大阪歯科大学口腔工学科学科長・教授)、八巻賢一氏(宮城・東北歯科技工専門学校教務部長)らと意見交換し、学生数の減少に歯止めがかからない養成機関の実情をくわしく聞いて運動のあり方を模索した。参加者からは「志望者減などの厳しい現実も隠さずに世論に訴えなければならない」などの意見が出された。
図 「金パラ」購入価格平均と保険償還価格の乖離により歯科医療機関の経営が悪化