兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2020年3月05日(1935号) ピックアップニュース

共済制度加入者の集い
"投資なんか、おやめなさい"
経済ジャーナリスト荻原博子氏が講演

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投資を勧める金融機関の狙いを解説した荻原氏(上)の話に会場は満席に

 協会は2月9日、設立50周年企画として、「共済制度加入者の集い」をメリケンパークオリエンタルホテルで開催した。この会は、共済制度加入者を対象に企画されたもので、定員を超える123人が参加した。

 集いでは、経済ジャーナリストの荻原博子氏が「投資なんか、おやめなさい」という刺激的なタイトルで講演。「貯蓄から投資へ」として、政府も金融機関も投資を推奨し、さまざまな金融商品が販売されているが、荻原氏は、販売側は手数料で利益を得るために金融商品を販売しているのであり、経済の仕組みや商品の内容を知らず、勧められるまま購入するのは大変危険と警告。
 保険についても、リスクに備えた「くじみたいなもの」であり、当たらなければ給付はないことを理解するよう力説。一方で、協会の扱う保険医年金を中心とした共済制度は、「いい制度だと思う」と評価した。
 経済の見通しについては、ITバブルが直後に起こったアトランタを除き、オリンピック後はどの国も不況になっており、東京オリンピック後の経済の押し上げ要因は残念ながら見当たらないとした。そして、不況下での資金形成のセオリーは、借金をできるだけ少なくして、現預金を増やすことであると解説。投資を行う場合は、リスクがあることを理解し、金融機関に任せず、自ら余裕資金で行うべきだとした。
 最後に、荻原氏は、お金では代えられない夫婦仲・人間関係を大切にして生きていくことの大切さも強調した。
 講演後、参加者は、神戸のオーシャンビューを眺めながら、立食パーティを楽しんだ。元NHKアナウンサーで、ラジオ関西の協会提供コーナーでパーソナリティを務める寺谷一紀氏が司会を務め、寺谷氏の軽妙な進行で、荻原氏への質問コーナーが大いに盛り上がった。
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