2020年4月05日(1938号) ピックアップニュース
みんなでストップ!負担増(5) 署名インタビュー「私も集めてます」
地域から協力者「ぜひ協力させてほしい」 西脇市 木原 章雄先生
受付や診察室に署名コーナーを設け、署名用ハガキや、ポケットティッシュ、チラシを置くなど協力しています。それだけで毎日2~3筆ずつは集まります。署名コーナーを設けることでスタッフが署名に興味を持ち、保険医新聞を読むようになるなど、スタッフが医療政策について考えるきっかけにもなりました。
また、田舎で口コミが広がりやすいこともあり、患者さんの知人の方が医院に来られ「この署名用ハガキはカラーで見やすく、医療・介護という皆の関心が高い内容なので、ぜひ協力させてほしい」と20枚ほど持って帰る方も現れました。自治会や老人会などで集めて、後日持ってきてくださり、取りまとめてくださる方が複数地域にいることが分かりました。私一人の力は小さくても、60歳代や70歳代の医療・介護の負担について関心が高い層につながることができると、多く集めることができるのだと実感しています。
75歳以上の患者さんの窓口負担を原則1割から2割に引き上げた場合、現在、精神科は血液検査などをしない場合、1回500円以内の負担で済みますが、それが1000円になります。さらに薬剤費は、高齢者にはなるべく副作用の少ない新薬を処方する傾向があることから高額となりがちで、今でも5000円ほどかかるのが、1万円ほどになってしまい、非常に負担が重くなるので、適切な医療が受けづらくなってしまいます。
介護についても、利用料2割、3割負担の対象者を拡大しようとしていますが、そうするとホームヘルパーやデイサービスの利用を控えようという方が多くなってしまいます。介護度が低い段階からサービスを利用することで、心身の廃用を防止する効果があります。利用できなくなると、病気やケガをきっかけに介護度も上がり、結果的に社会保障費の抑制などできないと思います。
ホームヘルパーやデイサービスは高齢化が進む地域では欠かせない社会インフラです。医療・介護の負担を軽減することと、社会保障費を適切に配分することは両立可能と考えます。