2020年4月15日(1939号) ピックアップニュース
新型コロナ緊急アンケート
8割「昨年同時期より患者減少」
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テレビ・新聞で各社報道
アンケートは会員からの「マスクがないので何とかならないか」「患者や職員に新型コロナウイルス感染者が発生した場合、どうすればよいのか」などの問い合わせ増加を受け、今後最前線に立つ地域の医療機関の実態を明らかにし、国や県に具体的な対応を促すために実施した。報道各社を招いて4月4日に開催した結果報告会では、西山裕康理事長が結果を報告。質疑応答では出席した各役員が現場の実態を踏まえて質問に応えた。朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、神戸新聞、しんぶん赤旗、兵庫民報、関西テレビ、毎日放送、読売テレビが取材を行った。
西山理事長は結果報告で、医科診療所の約9%が、風評被害が「あった」と回答していることと併せ、具体的な風評被害の実例を紹介した。また、市民に対し、医療関係者が防護服等を着用して診療するのは、院内感染防止のための予防的な措置であること、インターネットや周囲の方の不確かな情報を鵜呑みにしないよう注意することなど市民へ注意喚起を行うようマスコミに訴えた。
保健所等にPCR検査を依頼した内科・耳鼻咽喉科を標榜する医科診療所の約7割が「受け入れられなかった」と回答したことに対するマスコミの「協会は保健所の対応を問題視しているのか」との質問に対し、吉岡巌副理事長は「保健所の限られた体制の中でよくやっていると思うが、医師が必要性を判断したのなら、検査を行うべきだ」と回答。加えて、武村義人副理事長が「そもそも保健所を統廃合してきた政府の姿勢が矛盾を拡大している」と医療費抑制政策を批判した。
各医療機関で患者が減っていることについて、足立了平副理事長は、「暖冬や新型コロナ対策が結果としてインフルエンザ等の患者を減らしている点はあるかもしれないが、そうした影響のない歯科診療所でも約47%が『患者が減った』と回答しているので、感染を恐れて医療機関受診を控える患者が多数いることは間違いない」と解説した。
マスコミから「今後のオーバーシュートに備えて、地域の医療機関に最も必要なことは何か」と問われた西山理事長は「個人防護具や衛生用品がなければ私たちは患者を診ることができない。それらの安定供給を国や行政が責任をもって行うことが大切だ」と述べ、「万が一、職員や患者に感染者が出た場合の対応指針と、経済的な補償制度を整備する必要がある」と締めくくった。
報告会の内容は関西テレビが5日のニュースで「滅菌ガーゼや手袋も減ってきていて必要な処置ができないとの回答もあり、協会は国や自治体に衛生用品の確保や配布を求めました。また、医師がマスクとゴーグルを着けただけで『新型コロナの感染者が出たらしい』との風評被害もあり、協会は『医師への感染を防ぐもので、不確かな情報を鵜呑みにしないでほしい』と呼び掛けています」と報道。神戸新聞も同日、「診療所依頼のPCR検査7割が受け入れられず」との見出しで報じた。6日にはしんぶん赤旗が、9日には読売新聞と毎日放送が報道した。