兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2020年5月25日(1942号) ピックアップニュース

燭心

 pandemicを境にして世界が変わる。103年前に流感(H1N1)により、第一次大戦が終結。ナポレオンのロシア遠征では発疹チフスのため、フランスの屈強な兵士60万人も帰還できたのは3000人である▼古来、戦争による王朝の交代の裏には感染症が関係していることが多い。平安京への遷都は天然痘から逃れるため。後漢もシルクロードによる東西交流で天然痘や麻疹が断続的に流行し、衰退した。モンゴル帝国もペストが発生していた。コレラはインドの風土病。梅毒はカリブの島。AIDS、B型肝炎、ATLは、アフリカ起源と言われている。ローマ帝国もマラリアで滅んだとも言える。発疹チフス、ペスト、流感、新型コロナは飛沫感染等により、防御困難。中世の宗教的呪縛が解かれたイタリアでルネッサンスが17世紀に始まり、ロンドンでのペスト禍のあとNewtonら自然科学者が出て、その後の産業革命へとつながる▼新型コロナにより米国は最も多く感染し、9万人超も死亡した。これは医療制度が不備であることを意味する。イタリア、スペインも医療費を抑制していたが、ドイツは医療制度を整えており、死亡率が他国より低い▼突出して死亡者の多い米国と、隠蔽体質の中国。コロナ後、米中は覇権国家としての指導力を失っていく。コロナ後、世界はparadigm shiftする。日本はPCR検査等対応が悪かったが、安倍内閣はいつも過ちを認めない。過って改めざる、是を過ちと謂う(過而不改、是謂過矣)。(鼻)

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