2020年5月25日(1942号) ピックアップニュース
歯科 2020年4月歯科診療報酬 改定のポイント(3)
歯周病重症化予防治療(P重防)
〈対象患者〉
歯管、特疾管(歯周病に関する治療計画を含む)または歯在管を算定しており、2回目以降の歯周病検査(P基検またはP精検)の結果、歯周ポケットが4㎜未満であって、部分的な歯肉の炎症またはプロービング時の出血が認められる状態の患者(一時的に病状が改善傾向にある患者)が対象です。
歯周病の重症化予防を目的として、SCや歯清等の継続的な治療を実施した場合に1口腔につき月1回に限り、永久歯の歯数区分により算定します(1~9歯150点、10~19歯200点、20歯以上300点)。
病名は「P」「G」。乳歯列期を含め、P混検は対象外です(図1)。
〈算定要件〉
1、P重防の開始にあたって、検査結果の要点や治療方針等について管理計画書を作成し、文書で患者等に提供します(歯管の様式で可)。その文書の写しはカルテに添付してください。その他、療養上必要な事項があれば患者に説明し、要点をカルテに記載します。
2,2回目以降のP重防は,前回実施月から3月目以降に月1回に限り算定します。症状安定を確認するため、必要に応じて歯周病検査を行い文書を患者またはその家族等に提供します。
〈P重防を開始した日以降に算定できない項目〉
歯周炎に係る咬調、P処、歯周基本治療(SC、SRP、PCur)、P基処、機械的歯面清掃処置(歯清)、在口衛、非経口摂取患者口腔粘膜処置(非経口処)、訪問口腔リハ、小訪問口腔リハ。
〈他の歯周治療との関係〉
1,2回目の歯周病検査の後、P重防を開始したが、再評価のための歯周病検査で4㎜以上の歯周ポケットを認めた場合は、必要に応じて歯周基本治療を行います。この場合、P重防開始日以降に算定できなかった包括項目も算定できるようになります。
2回目の歯周病検査後に再SCを行い、3回目以降の再評価検査によりP重防を開始する場合も同様の取り扱いとなります(図2)。
2、歯周基本治療(SRP、PCur)終了後にP重防を開始したが、その後の再評価のための歯周病検査で4㎜以上の歯周ポケットを認めた場合は、歯周病安定期治療(SPT)を開始することになります(図3)。
〈P重防とSPTとの移行関係〉
1、SPT開始後に病状が改善しP重防を開始したが、その後の再評価のための歯周病検査で4㎜以上の歯周ポケットを認め、歯肉の炎症、プロービング時の出血が認められない場合は、SPT(Ⅰ)またはSPT(Ⅱ)を開始します。P重防とSPTは、それぞれ(SPT(Ⅱ)の場合も)前回の実施月から3月目以降に移行できます(図4)。
2、SPTを算定した月はP重防を算定できません。
〈レセプト摘要欄〉
初診月を除く初回は「1回目(P重防)」と記載します。2回目以降は「P重防前回○月」と記載します。
◆参考とする「歯周病の治療に関する基本的な考え方」は、2020年3月末に変更されています。日本歯科医学会のHPでご確認ください。