2020年7月05日(1946号) ピックアップニュース
新型コロナ第2波に備えて 医療提供体制の拡充を
第52回総会を開催 亀岡正典神戸大学大学院教授が記念講演
(次号に決議と詳報を掲載予定)
西山裕康理事長はあいさつで、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、複数の大規模基幹病院が診療中止に追い込まれ、都市部を中心に「医療崩壊」寸前のかつてない事態に陥ったと指摘。平時より余裕を持った医療提供体制の整備と安定した医療機関経営が必要であるとして、「安定した医療機関経営の保証という、国民皆保険制度で国が果たすべき責任を自ら放棄している。高い公共性と非営利性を有する医療において、診療継続の要請と補償はセットであるべきだ。私たちは、簡素で公平でかつ即効性と透明性を有する『概算請求』を補償の中心として強く要求していこう」と訴えた。
武村義人副理事長が会務報告と方針案を提案。方針案では、安倍政権の医療・社会保障削減政策や、緊急事態条項などの改憲の動きに対峙し、社会保障拡充へ、新たな患者負担増計画に反対して、医療費の総枠拡大、憲法・平和・民主主義を守る政治への転換に力を尽くすとし、引き続き「頼りになり、役立つ協会」をめざそうと提案した。また、吉岡巌副理事長が、2020年度予算案を提案した。
討論では、新型コロナウイルス感染症対策や憲法を守る取り組み、日常診療研究交流会への協力呼びかけ、組織拡大などについて、9人が発言した。
最後に、新型コロナウイルス感染症の「第2波」に備え医科・歯科医療機関経営を保障すること、医療費抑制政策を転換し、公衆衛生体制や医療提供体制を抜本的に強化することなどを求める決議を採択。2019年度会務報告と新年度方針案、予算案も併せて承認した。
記念講演では、神戸大学大学院保健学研究科パブリックヘルス領域国際感染症対策分野教授の亀岡正典先生が、「HIV感染症に関する疫学的および基礎的研究」と題して講演した。