2020年9月05日(1951号) ピックアップニュース
医療機関の経営保障求める 会員署名1208筆を国会へ
全国で1万1685筆 議員に提出
会員署名提出Web集会
臨時国会を速やかに開き診療報酬概算請求を議論せよ
集会では、保団連の住江憲勇会長が開会あいさつ。新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための地域医療の確保が課題だと指摘し、PCR検査の拡充と、国民への補償が一体となった感染対策が不可欠だとした。一方で、政府はコロナ対策を議論するためにも、一日も早く臨時国会を開会し、過去の実績に基づいた支払いを実現すべきであるにもかかわらず、骨太の方針2020でいっそうの社会保障の削減を提起し、最低賃金の引き上げ基準を示さないなど、労働者をいっそう低賃金不安定労働へ誘導しようとしていると批判した。各協会からの報告では、兵庫から武村副理事長(保団連副会長)が発言。医師法・歯科医師法によって、医療の提供者は医師・歯科医師と定められていることから、すべての保険医療機関は、公益医療の提供を一手に担う社会的共通資本であり、国は憲法に定められているとおり国民に生存権を保障し、必要な医療を国民に提供するため、保険医療機関の経営を安定させる責任があるとした。そして、昨年度の実績に基づく診療報酬の概算請求は、今年度当初予算の範囲内で迅速かつ容易に実現可能な方法であるとして、実現させるよう国に求めていこうと訴えた。
署名に寄せられたひとこと紹介
会員署名の「私のひとこと」欄には、苦しい経営を訴える声や、地域医療の確保を求める意見が寄せられた。会員の声の一部を紹介する。「減収と費用増で経済的にかなり厳しい」
・減収への対応もさることながら、感染予防対策に必要な物品の高騰なども問題になっています、経済的にかなり厳しい状態です。
・私の診療所でも患者さんは30%減少しています、一方でマスク使用、フェースシールドの使用、器具やイス、手すりなどの消毒、アルコール除菌などの手間や仕事が増えています。医療機関がつぶれてしまわないように財政措置をお願いします。
・小児科です。昨年4月のレセプト件数を計算しますと46%減、収入は50%減でした。5月はもっと減ったと思います。スタッフの賃金分の補てんお願いしたいです。
・現状最も減収の著しい診療科、耳鼻咽喉科の個人経営です。これ以上の持ち出し経費は不可能となっています、今後早期の収支の改善は見込めません。創業以来これまで多額の税金を納めておりました、残る資産の何倍もの額になります、せめて前年収支の差額の2分の1以上の補助金支給を要望します。
・診療報酬が史上最低を記録してしまいました。補助をお願いします。
・婦人科でさえ3~5月は20~25%減収となりました。
・当院においては本来夏季賞与で一般職員は、これまで年々増額してきたが前年と同額とし、医師3名については全額カットといたしました。現状が長引くようであれば賞与だけでなく給与にも影響が出てくるかもしれないと職員には伝えています。今後の職員の業務に対する意欲の減退が危惧されます。
「国の責任で減収補てんを」
・コロナ禍で地域医療を支える病院・診療所が危機に立たされています。国民皆保険制度を守るためにも国の責任で医療機関への減収補てんが必要です。診療報酬概算払いを求めます。
・2波3波の流行にそなえて医療機関が適切に対応できるように財政措置を求める。
・日本国憲法に次のように書かれています。「第25条(1)すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」。財政措置をお願いします。
・先が見えない中で皆踏ん張って頑張っているので、一時限りの対応だと皆もたないと思います。今後しっかりとした対応(助成補助)をしていただきたいと思います。
「医療機関の風評被害は深刻 名誉挽回を」
・メディアにてCOVID-19の感染リスク高い職種が、1.歯科衛生士、2.歯科医師、3.歯科助手と報告されたため、いわゆる風評被害で患者が減少しています。全感染者の10%が医療関係者にもかかわらず歯科での感染はわずか数十人で、クラスターも発生していません。なんとか名誉挽回していただきたいです。
・本来なら、コロナに感染した場合、口腔内細菌がいると、サイトカインストームをひきおこし、重篤化するので、定期健診による口腔細菌の除去が重要なはず。そういう肝心な報道はされない。偏った報道により国民の健康は失われていく。歯科の受診が減少し、悪循環が止まらない。
・緊急財政支援に合わせて、医療関係者、患者関係者などへのいわれなき風評被害を防止し、憶測やデマなどに惑わされないよう冷静な対処を広く国民に訴えてもらいたい。
・今まで何も疑問に思うことなく国の制度下で仕事をしていましたが、確かに「災害時と同様の前年度実績に基づく診療報酬概算払い等は当然の権利」と思いました。
・無症状・風邪症状・体調不良者、全てコロナ感染かもとして対応している、コロナ肺炎や症状があり入院する人も、元は多くの開業医がコロナかと思ってPCR検査の依頼をしている。開業医は何もしていないわけではない。すべての医師が、職員が、コロナと向き合っているのです。
・当方は全床療養病棟で重度の高齢者の方々が入居されていますが、当地域はクリニックが閉院されていますため、外来にて新型コロナの検査を毎日のようにしてほしいと電話があります。発熱外来設置していますがCOVID-19の検査はしておりません。外来でもし、当病院の従事者医師が感染すればひとたまりもありません。
「医療機関は国民のセーフティーネット」
・我々の医療機関は国民のセーフティーネットであります。守っていかなければいけないと思います。
・これまでの医療費抑制政策の結果が現状です。多くの集患に成功した医療機関のみ存続させるという診療報酬の体系を早急に改めるべきです。公的病院の統廃合を主張する土居丈郎氏も言い訳していましたね。アビガンの適正な治験(服用量が少ないため有効な量に増やしての治験)と、一般での処方を可能とし、検査結果陽性者の休業をやめてください。未開発のワクチンを6000万人分購入するという先約束など国会の審議なしで決めないでください。
・皆が「がまん」する時だとは思いますが、無駄なマスクを作ったりGo Toキャンペーンを始めたり特定の業者に便宜を図っているような気がしてなりません。医療の確保が第一と思います。
・必要な方に必要な医療を!Go To医療機関!
・全ての業界の減収分を何らかの形で補てんしないと経済がダメージを負ったままですので日本の国力が低下してしまうと思います。